虫酸が走る「パパ検定」

Tuduki2007-11-05

つい前回、「偉そうに育児論を語るヒトに立腹することがなくなった、それは私自身も同様に未熟であることを悟ったからだ」という旨の日記を書いたばかりだけれど……あっさり翻すことにする。だって私はいま現在、まったくもって立腹しまくり真っ最中だから。こんな企画、散々なメに遭ってくたばっちまえ!!!!!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


来年の春、「パパ力検定」なるものが行われるんだとか。http://www.kentei-uketsuke.com/papaken.html
そのためのテキスト&問題集は、小学館から発売中だ。


最初はシャレだと思ってたんだけど、サイトを見ても問題集を立ち読みしても、100%マジな気配。

…ったく、なにをエラそうに。
くだらねぇ…ホントにくだらねぇ。試しに[パパ検 練習問題]のページhttp://www.kentei-uketsuke.com/practice_guide.asp?exercise_id=papa001を開いてみてもらえばわかる、私は心底ムカついた。


「Q:けん玉の技は全部で何種類でしょう?」…って、なんだそりゃ? 

育児能力を向上させたり父親らしくなるために、それがどれだけ役にたつの? 妙な数字だけ脳に刷り込んだ頭でっかちな父親をつくってどうすんのよ? そんなの暗記するヒマがあったらもっと子どもと遊んでやれよ!……とかそんなふうには考えないのかコイツら? こんなモンが父親たちの育児参加意識を喚起するワケないじゃん。まだ1問目の離乳食に関する問題(後日注:赤ん坊の離乳食に100%天然の蜂蜜を与えることが○か×かを問うような問題でした…で、正解は与えちゃ絶対にダメ!)なら、その出題意図は理解できるよ。だってヘタすりゃ我が子の命に関わるような重大なことだから。だけどこれだって、ごくフツーにパパ・ママをやってきた最近の親にとっては常識中の常識だ。だって我が子の命に関わる問題なんだから。今さら他人様に、得意げにひけらかされて畏れ入るような知識でもなんでもないぞ!
この件については実際、マンガ『美味しんぼ』で離乳食に天然のハチミツを食べさせるシーンが載ったことがあって、当然だけど読者パパたちから「それは間違いだし危険ですよ」と指摘され、原作者の雁屋哲氏が「自分が子育てをしていた時代には常識でしたが、現代では誤った情報でした」ときちんと謝罪した…なんて“事件”まであったほどだ。それくらい現代の育児では常識中の常識なのになにを今さら……(と出題者を小バカにして嗤う私)。でも、なるほど…それに比べりゃけん玉の技の種類なんて、逆に非常識中の非常識だから、これを出題することで、出題者がどうでもいい知識を得意げにひけらかすのは、論理上は“アリ”ということになるなぁ……(と出題者を小バカにして嗤う私)。


そもそも、
よその親を「審判」できるつもりになってるコイツらの“上から目線”が痛々しいし……虫酸が走る。自分が立派な親だと自負するのは個人の勝手だけど、よその親に対して、いいとか悪いとかあなたは何級のレベルです…なんていうふうにジャッジできると思い込むまで冗長しなさんなよオバカさん。そう思い込んじゃった時点で、まっとうな判断ができなくなってることに気付けよバカ。


検定ブームの昨今だから、「パパ検定」なんてこんな企画、日本中あちこちの出版社やNPO法人や育児サークルなんかの呑み会の席での与太話として、100回は盛り上がったハズだ。……でもって、それがどれほど他人を見下した偉ぶってる企画だということをみんな理解しているから、あとの99回は酒の席での笑い話で終わったんだろうに。こんな不遜なことを、よくもまあ実際にやる気になれるモンだよ…ったく。


来年3月に行われる「パパ力検定」の検定料金は3900円也……高っ! その3900円があったら、我が子のためになにを買ってやれるか&なにをしてやれるか…をごくフツーに考えるのが「まっとうな父親」ってモンじゃないのか?


こんな企画もこんな本も、徹頭徹尾完膚無きまでに企画倒れで散々な結果に終わりますように……私はそう願ってやまない、ひとりの名もない父親として。