飲んだら乗るなよバカ

福岡の、幼い兄弟3人が亡くなられた交通事故のことを思うと、たまらなく胸が痛む。


夏休み最後の週末だから子ども達を喜ばせよう…という、あの日の我が家が急に熱海に出かけたのと同じ理由で、同じ我が子を思う愛情で出かけた結果、あんな酷い事故に巻き込まれたのだ。同じような悲劇が、私の身にふりかかる可能性がないと誰が言えよう……心底ゾッとする。3人のお子さんを一瞬で失ってしまった御両親の心を、慰めたり励ましたりできる言葉なんか見つけようもない…あるはずもない。

それにしても、この事件(←事故じゃないだろあれは)を起こした犯人、福岡市職員の今林大ってのはいったい、なんて愚か者なんだろう。愚か者の中の愚か者め。次々と明らかになった呆れかえる事実の数々が、ますます暗鬱な気持ちにさせる。


飲んだら乗るなよバカ


私は酒好きのノンスモーカーだけれど、そんな私ですら、日本の社会は飲酒に対して寛容すぎるんじゃないかと思う。タバコの害のことは盛んに言われるけれど、タバコ好きが肺ガンで死んだってそれは本人の勝手だし、喫煙者の副流煙の害に巻き込まれて死ぬのは無論イヤだけれど、飲酒者に巻き込まれて死ぬ人の数に比べたら屁みたいなもんだ。

酒呑みは、酒がもたらすかもしれない最悪の事態をはっきり自覚するべきだ。


……などと偉そうに書く私も、じつをいえば若い時分は飲んで運転するのはしょっちゅうだった。最後に甘くないジン・リッキーを1杯やるとサーッと酔いが醒めた気がして、平気で運転したものだ。

本当にバカだったなオレも…と思う。

さすがに泥酔して運転したことはなかったと思うが、あのころの私が事故を起こさずにすんだのは単に運がよかっただけだ。……私は長男が1歳になった頃に飲酒運転をやめた。よちよち歩く息子を眺めていたときに、こういう子ども達を飲酒運転の交通事故で殺してしまうような加害者にも被害者にもなりたくないな…と、そういう状況に自分が陥ることを想像したらたまらなく怖ろしくなったからだ。


あんな悲劇が起こった直後だというのに、飲酒運転で捕まったり事故を起こしたりする連中……自分がああいう加害者になる可能性のことをちょっとは想像しろよバカ。飲むんなら最初から乗るなよバカ。飲んだら乗るなよバカ。