ジョンについて

Tuduki2005-12-08

今日は、 ジョン・レノンの命日だった。

もう25年…てことは四半世紀が過ぎたワケだ。あの日、中3だった私は夕方6時のニュースで、ジョン・レノン死亡を知った。ちょうど校内マラソン大会の前々日くらいで、友達が練習しようと呼びにきたときだ。

ザ・ビートルズの黄金時代は知らない世代だけれど〜だって解散は'70年、私のころにはすでにポール・モーリアに並ぶ、病院でもスーパーでもありがちなスタンダードなBGMになっていたのだもの〜、当時の私は、ビートルズ解散後もコンスタントに(理屈抜きのポップミュージックの)活動を精力的に続けていたポール・マッカートニーに心底入れ込んでいたものだから、

「死んだのがポールじゃなくて良かったなぁ」

……とそう思ったことを今でもハッキリ憶えている。



今はちょっと考えが違います。
ビートルズの音楽の根幹を創出していたのは8割以上はまちがいなくポールの功績だと今でも思っているし、ポールひとりでも20世紀のミュージック・シーンに偉大な足跡を遺しただろうと私は確信しているけれど、ジョンがいなければ「20世紀の社会に足跡を遺す」ことは絶対ありえなかったと思う。てことは、やっぱりビートルズのチャームはジョンが生み出したものだったワケで、あり得ない話だけど仮に ポールの代わりに、エルトン・ジョンやスティング(或いはギルバート・オサリバン)が その位置に収まっても、社会現象を生み出したビートルズは成立するに違いない…と思えるのだ。でも、ジョンの代わりになるほどのチャームの持ち主というのは どこにも存在しないと思うのだ。

そういう意味で、ジョンを失ったことはとても哀しい……いまだからこそ尚更そう思う。



さて現代の日本ではこの12月8日に、国民を翻弄するチャームにだけは恵まれた中身はスカスカでカッコつけたポーズばっかりの首相が、イラク派遣(じゃなくて派兵だよな)延長を決定しました。 結果的には大勝利だったさきの選挙のおりタイミング良く、「年内あるいは3月で派兵中止を示唆」なんてハト派っぽい雰囲気を出してたけど、予想通り、それはあくまで“示唆”という名の、実行する気のないポーズでした。

……まあいいんだけどね、大多数の国民が熱狂的に選んだ結果なんだから。
でも郵政民営化のスリム化と、派兵中止さらに思いやり予算削減のスリム化がどっちがでかいか考える材料を、オレたちゃ与えられてたか選挙前に? それに○○族やら天下りやらの利権を抑制する手段って、ホントに民営化以外にあり得ないのか?……なわきゃねぇじゃん。

結局、モノを創るのに大事なのは“才能”だけれど、世の中を動かすのに大事なのは“チャーム”だということだ。


もしジョン・レノンが、N.Y.じゃなくて日本に住んでたらなぁ…と思うことがある。
持ち前のチャームで、TVのヴァラエティ番組にひっぱりだこだったんじゃないかな。アヤシイ日本語を話す、変な白人のオジサンとして人気だったんじゃないかな……明石家さんまにイジられたりして。そんな呑気(と書いてへいわと読む)時代が来てほしかった…と私は思う。
イラク派兵延長を決めた今日12月8日は、奇しくも大日本帝国真珠湾攻撃をした日でもある……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
想像してごらん 天国なんてないんだと……
その気になれば簡単なことさ
僕らの足下に地獄はなく
頭上にはただ空があるだけ
想像してごらん すべての人々が
今日のために生きていると……
       
想像してごらん 国境なんてないんだと……
そんなに難しいことじゃない
殺したり死んだりする理由もなく宗教さえもない
想像してごらん すべての人々が
平和な暮らしを送っていると……

 
 僕を空想家だと思うかも知れない
 だけど 僕ひとりじゃないはずさ
 いつの日か きみも僕らに加われば
 この世界はひとつに結ばれるんだ


想像してごらん 所有するものなんか何もないと・・・・・
果たしてきみにできるかな
欲張りや飢えの必要もなく
人はみな兄弟なのさ
想像してごらん すべての人々が
世界を分かち合っていると・・・
       
 
 僕を空想家だと思うかも知れない
 だけど 僕ひとりじゃないはずさ
 いつの日か きみも僕らに加われば
 この世界はひとつに結ばれるんだ……
 (対訳:山本安見)