沖縄に行きたい、今すぐ行きたい

Tuduki2005-04-07

初めて沖縄を訪れたのは1994年のGWだった。
モデルではなく一般の女のコたちの水着姿をたくさん掲載しよう…という、雑誌の企画記事のために3日間、炎天下のビーチで女のコたちに声をかけ続けた。まちがえてオカマ(←ちゃんと水着姿)にまで声をかけてしまった。リゾート地に似合わない苛酷な取材だったけれど、事務所のコじゃ出せないリアルさおよび苦労した分だけのバカバカしさがにじみ出た記事は非常に好評だった。

夕食はガイドブックに載っていた、地元で人気だという沖縄料理の店に行った。珍しい料理をいろいろ単品で頼んでそれでビール&泡盛を飲み、最後にゴハンものを頼んで〆めるつもりだったのだが……まだ頼んでいない米飯と味噌汁が次々と運ばれてきて驚いた。しかもスタッフの人数以上も! 「あのぉ…料理は単品で注文したんだけど」…そう店員の女のコに言うと、彼女はニッコリして「ええ、単品料理にはひとつずつご飯と味噌汁がついてくるんですよ!」と明るく答えるではないか。そしてテーブルの上がみるみるご飯と味噌汁に侵略されていく……でも、日本語の“単品”ってそういう意味じゃないんじゃないか? 「こういうのってフツー“定食”って呼ぶんじゃないの?」と彼女に再び尋ねると、「ちがいますよ! “定食”にはさらに刺身がつくんです!」
……「単品料理にはご飯と味噌汁がもれなくセット」という事例が、沖縄初心者のカルチャーショック体験として非常に有名だということはあとで知った。最近は残念ながら、こういう店はだいぶ減ったらしいけれど。


スタッフの二人が頼んだ「魚のバター焼き定食」が運ばれてきた。うむ、たしかに刺身つきだ。しかし…しかしだ、肝腎の“魚のバター焼き”が……形も大きさも身のつき方もウロコのあとも、なにもかも違っているではないか。明らかに別の種類の魚なのだ。またも店員の女のコに尋ねた、「あのォ……コレはなんですか?」。すると彼女は不思議そうな表情で私を見た。そして「なにって……コレは魚ですけど?」と答える。魚であることは私にだって判るわい。私が訊きたかったのは、“この魚の名前はなにか?”ということと“なんで同じ料理なのに魚の種類がちがうのか?”ということだったのに。「ええと…じゃあ、こっちの魚はなんですか?」ともう一方の皿を指して尋ねる。彼女の不思議そうな表情の中に一瞬怯えが見える。さっきからの質問の連続で、もしかして気味悪がられてるのかオレ? 狼に狙われた子羊のような瞳で彼女は答えた。「その魚も……魚です」
……まるで禅問答のようだ。「魚のバター焼き」「魚のフライ」というメニューの表示を見て、なんか大雑把だなぁと思っていたのだが、品物それ自体が大雑把だとは! もっともこの大雑把な感じが、沖縄フリークにとっては訪問を重ねるたびに気持ちよくなっていく要因らしい。


家族で久米島を訪れた際、息子が日本ソバを注文した。食べ残しを私が食べたのだが……そばつゆが酸っぱくて驚いた! といっても腐っているワケではない。かんきつ類の酸味が口いっぱいに広がったのだ。沖縄の食文化のちがいが楽しくなってきた時期だった私は素直に感嘆した。「暑くて腐るのを防ぐために、酸味をきかせているのかな。それともサッパリした酸味で食欲増進をはかった生活の知恵? あ、もしかしてこの酸味って、特産物のシークワァーサーかも?」
……後日、沖縄フリークや沖縄出身の友人に尋ねたのだが、酸っぱいそばつゆで日本ソバを食べる習慣など誰も知らなかった。どうやらただ単に、店員がそばつゆとポン酢しょうゆを間違えて出しただけのようだ。じゃあ、あのときの私の感嘆っていったい……

沖縄のいろんなことを思い出すたびに、沖縄にまた行きたくなってしまい困る。だが今日の私が訴えたかったのは、じつは上記のような沖縄の魅力(?)についてではない。私がいま沖縄に行きたくて仕方がない本当の理由はこれだ。
http://www.nta.co.jp/akafu/kikaku/long_oka/

 ……むむぅ、その手があったか。しかも好評らしく「沖縄 花粉 ツアー」と検索かけると、じつにたくさんの旅行案内がヒットするではないか!

くしゃみをするたび…目をこするたび、今日も私はあこがれの沖縄に思いを馳せるのだ。

※写真は、市場で売られていた美味しそうなブタの部品(ブヒ、ブヒぃん←年齢相応のオヤジ系駄洒落に挑戦しました)。