地球は生きている

Tuduki2008-04-17

じつは最近、いろいろ思うところがあってスキンヘッドにしてみた。


「思うところがあって…」なんて書くと如何にも思わせぶりだけれど、非常に個人的な理由なのでここに書くわけにはいかない。ひっそり胸の奥にしまっておくことにする。ともかく雑念を払い、気持ちを引き締めた私なのだ!


酔っぱらってひとりでふざけてシェイバーで丸剃りしたことは過去にもあったけれど、継続するのは今回が初めてのこと。とはいえ、今までも週イチで床屋に通って超短髪のバリカン丸刈りをしていたので、見た目にはさほど変化はない。ちょっとしたマイナーチェンジといったところだ。知り合いなどでも、変化に気づかないヒトは多いんじゃないかな。

……なんて思っていたのだけれど、ところがどっこい。
超短髪と丸剃りでは意外なところに違いがあって、本人としては驚くことしきりなのだ。


イチバン驚いたのは、なんといっても「ムキ出しになった頭皮が敏感すぎること」だ。
自分で剃るときに、後頭部の剃りムラがないか確かめるために自分の掌を当ててみるのだけれど……そのたびに背筋がゾッとする。私自身の掌だというのに、頭皮に直接ひんやりした異物が触れる感触がものすごく気持ち悪いのだ。肌と肌が直接触れあう感触って、手を繋いだりとかキスしたりとか例のアレだとかを示すまでもなく、全面的に「本能的にキモチのよいこと」だと思っていたのだけれど、どうやら頭部にとってはそうではないらしい。使い慣れた枕の上にアタマを置くときさえも、神経が昂ぶるのを感じる……動物が身構えるみたいに。


他にも驚いたことはいろいろあるのだけれど、やってみないと実感できなさそうなことばかりなので、2番目以降は今日の処はパスだ。……ああ、あと見知らぬヒトが私を見てギョッとした顔をしたのが2回ほど。この2週間ほどの間でだ。まあたまたまかも知れないし、ギョッとした理由がスキンヘッドのせいじゃないかもしれない(たとえばズボンのチャックが全開でしかもパンツも履き忘れてたetc.)けれど、どんなに短くても髪があるのと全然ないのとでは、大きな隔たりがあるのかなぁ…と思った。「0」と「1」の間の隔たりのように。「無」というものはひたすら「無」なのだなぁ……なんて少々数学的&哲学的に、そう思った。


……ところで、
地球の全周は赤道部分で測ると約4万kmになる。そして地球を取り巻く大気の厚さは約100kmとされている(=実際には500kmくらいまでモヤモヤと薄い大気があるそうなのだけれど、それを考えるとめんどくさくなるので便宜的に大気圏100kmの外側は宇宙空間とされているのだ)。つまり、地球の全周と大気の厚さの比はだいたい400:1くらいということになる。

翻って……
私の帽子のサイズは57cmである。大雑把に見れば、これが私の頭の全周の長さだ。そこで、私のアタマを地球に見立てて、大気圏を髪の毛の長さで表現してみると……57cmの400分の1だから、長さ1.425ミリのボウズ頭がちょうど、地球の大きさと大気圏の厚さのミニチュア模型に相当することになる。


定規で確認するまでもなく、これは相当に短い。中高の野球部員の「五分刈り」と呼ばれる一般的なボウズ頭の、たった1/10の長さ。「五厘刈り」だ。最近増えたオシャレボウズな若者の中でも、かなり気合いの入ったふうに見える髪の短さだ。


頭を地球に見立てると僅か1.4ミリにしかならないような薄っぺらい大気圏に、我々の地球はしっかり守られているのだ。もしも大気がなくなって、地球が素肌ムキ出しのスキンヘッドになったらいったいどんなことになるだろうか……


今日の結論。「オゾンホールは地球にできた10円ハゲである」 
……てのはやっぱり間違った喩えだけれど、紫外線や他人の視線をムキ出しの素肌で無防備に浴びるのはやっぱり非常によろしくない事態なんだろうなぁ。それから、そんな僅かな“髪の毛”が汚染されちゃうのも、やっぱりイヤだよなぁ。

汚れた髪は洗うべきだ、10円ハゲなら治るように丁寧なケアを!


……なんて具合に、勝手に地球にシンクロニシティしてしまう昨今なのだ。