毒ガスの中で暮らしている

Tuduki2008-03-24

開花予想どおりに桜が咲き始めた週末。


桜はまだチラホラだけれど陽気はとってもヨカッタものだから、我が港北ニュータウンでは、芝生の広場でシートを広げてランチをしたり…緑道をサイクリングしたり…グラウンドでレクレーショナルなスポーツを楽しむ家族やカップルたちが、ひとあし先に“満開”なご様子。冬眠明けの生き物のようにわさわさとニギヤカだ。
通勤に至便なワケでもないクセに家賃も土地代もマンションの値段も高いような港北NTにわざわざ好きこのんで住む人々は、こんな週末を楽しむために住んでいるのだから、これは非常に正しい週末の姿なのだ港北NT的に。


……のはいいのだけれど。
日光浴を楽しむヒトや軽やかに自転車をこぐヒトやバドミントンに興じるヒトたちが、みんなして大きなマスクをしているってのは、やっぱり不気味だよなぁ…と思う。元気よく不健康なマスクってのがものすごくシュール。「大気汚染のなかで生活する未来の地球人」なんて感じの、子どものころ学年誌なんかで見たようなディストピア感あふれる地球の終末に似ていなくもない。あと、高度経済成長期の四日市ぜんそくのニュース映像なんかにも似ているな…と。マスクをした子ども達が元気よく集団登校する構図とか。


でも改めて考えてみれば、
それって比喩でもなんでもなく、まさにそのまんま現実なんじゃなかろうか? つまり、空気が花粉によって「汚染されている」のだ…と。「花粉症」とか「アレルギー性鼻炎」なんて文字にすると、なんだかヘナチョコな感じがしてまァ目くじら建てるほどでもないかなんて考えちゃうけど、これだけ大勢の人がマスクしないと生活できないってんなら、どう考えたってこれは国が解決すべき「国民の健康被害」じゃんか。


ソバとかピーナッツみたいに死と隣り合わせのアレルギーじゃあないし、くしゃみとか鼻水タラリとかの間抜け感が先行するアレルギーではあるけれど、これだけ大勢の人々が難儀してるんだから、一刻も早く具体的な解決策をすすめなくちゃダメじゃん行政は。薄〜い毒ガスの中で暮らしているようなモンだぞ我々は。マイルドな毒ガスだから現状でオッケーってワケもないだろやっぱり。


それなのになんの手だても講じない行政を見ていると、
やっぱり花粉景気にウハウハの製薬業界からの寄付が多いんだろうなぁ…なんて考える私である。
「花粉の飛ばないスギを開発!」みたいなニュースを見ても、あれだって株価操作のブラフなんだろなぁ…なんて考える、行政の陰謀説を支持しがちな私なのである。