今ごろ新年の御挨拶

Tuduki2008-03-19

明けましておめでとうございます。



……という書き出しで今年の日記を始めようと決めていた。ぐちゃぐちゃ状態の業務がひと息つけたら、世間の正月気分が抜けきった頃に、あえて新年の御挨拶をしようと企んでいたのだ。そう企んでいたのだけれど…まさかこんな、もう桜も咲こうかという時期までぐちゃぐちゃ業務が続くなんて…嗚呼。


でもまあ、ともかくぐちゃぐちゃ業務の夜が明けて、ようやくひと息つけた今日現在の私。
平日はほとんどずっと会社に寝泊まりしていたものだから、なんだかプチ浦島太郎気分。つまり「ちょい浦(うら)オヤジ」である。……え? 「ちょい不良(ワル)オヤジ」ブームなんてとっくに廃れてますって? しかも廃れたのはこの年末年始どころじゃないって??(笑)


でもまあ、ともかくプチ浦島太郎気分な今日現在の私。
久しぶりに最寄り駅まで自転車通勤したら、駐車場だった土地にいつのまにか家が建っていた。自転車置き場のそばのコンビニがいつのまにかなくなっていた。駅の改札脇にあったパン屋もいつのまにか閉店していた。……いったいなんなのだこの隔世の感はッ!なんて面白がっていたら、ずっと暮らしてたハズの会社の最寄り駅に続く地下構内にあった居酒屋までも、閉店…どころか知らないうちに中華屋に替わっていた。この数ヶ月、滅多に会社の外にも出ない引きこもり生活みたいなものだったからなぁ……今年の花粉症が意外に軽いかもと思ったのも気のせいだった。単に外に出てなかったから気づかないだけでした。


そんなワケで、今さらだけど年明け恒例のマイ年中行事をしてきました。それは神田明神への初詣。平将門さまへ御挨拶……なにしろファンなものだから。


ついでに湯島天神まで足を伸ばす。
考えてみればこの神田明神湯島天神というルートは、私が高校受験の前に初めてお参りで来たときの行程とおんなじだ。親父が通りすがりのオジサンに湯島天神の行き方を尋ねたら、「だったら先に神田明神さまにもお参りしなくちゃあ!」と言われたんだよなぁ……。いま思えば、あのオジサンは地元に住む神田明神の氏子だったんだろうな。でもっていま現在の私も、自宅は横浜の港北ニュータウンだってのに神田界隈がすっかり生活の拠点で……神田明神の氏子みたいなモンだ。なんだかすごく“縁”を感じる。


梅の名所・湯島天神だけど、あいにくもうすっかり散っていた。


でも梅の代わりに、受験合格の御礼の絵馬がにぎやかに花盛り。



天神さまとして祀られた菅原道真公が、いつしか学問の神様になったのは、もちろん彼が非常に優秀だったことに由来する。でもって現在では「学問〜」というより「受験の神様」として、全国の受験生の“最後の神頼み”の対象になっているワケだけれど……う〜〜ん、なんかね。どうなんだろう?


穿った見方をすれば、
彼は非常に優秀だったのに、政争で敗れて大宰府へ左遷させられたワケで……まさに都落ち。同じような境遇の人って、サラリーマンでも政治家でもいっぱいいるよな…と思う。いや詳しくは言えないけれど、私だって前の部署を追われたクチだし。しかも道真公は、左遷された大宰府で失意のうちにわずか2年後に早死にしてしまう。
仕事の能力が高いんだから、新天地で頑張るとか捲土重来を期して地固めなんて選択肢もあっただろうに。或いは和歌のセンスもバツグンなんだから、芸術の腕を磨いたり学問の道を究めるなんてことも出来ただろうに……。そういう気持ちの切り換えは出来ない人だったのかなぁ…なんてふうに私は考えてしまう。もちろん勉強が出来るほうがいいに決まってるし、いい学校に行けたほうが嬉しいに決まってる。でも幸せな人生を送るためには、それだけじゃ足りないんだよなぁ……。


なんて考えると、道真公の生涯を知りもしないで「受験の神様」として崇め奉るのは、なんだかものすごく暗示的だよね。


(ということで、本年もよろしくお願い申し上げます。 ジョン右衛門 〜拝〜)