ミシュラン来襲

Tuduki2007-11-22

本日11/22は「いい夫婦の日」。でもって、初の東京版『ミシュラン』の発売日。


わざわざこの日を選ぶとは……あんな高額の店に、果たして夫婦で行くもんかねェ? 行くなら社の経費で接待か、さもなきゃ愛人とのデートじゃないのかぁ?…などど毒づく視野狭窄な私だ(笑)。もちろん、「いい夫婦の日」と合わせようなんて意図は特になかっただろうけど。


まあ珍しいんで今年はバカ売れすることだろうな、『ミシュランガイド東京2008』。来年以降も売れるかは、私にはちょっと疑問。本の売れ行きはどうでもいいけれど、★を獲得した店もしなかった店も各々が切磋琢磨して全体のレベルアップにつながるんなら、『ミシュラン』東京版の発売を歓迎したい。……だけどホントはちょっと心配だ。『ミシュラン』なんか関係ないよと思っている、いわゆる「安くて旨い店」には影響はないだろうけど、「お値段手頃ななかなかの店」が、いつかは★獲得を!…なんて目指しはじめたら、きっと料理の価格も上がるにちがいないから。


料理分の客単価が6000〜10000円くらいの、カップルでアルコール代込みでもなんとか20000円以内、いっても30000円には届かずに収まってきたような店。しょっちゅう行くワケじゃないけど、たまにだから…と自腹を切れるギリギリの価格帯で、これまで満足感の高かった店。……そのへんが今後、ヤバくなりそうな気がする。その価格帯にある満足感の高い店って、それはやっぱり作り手に才能もあって努力もしてきた結果なワケだけど、そんな彼らが★を目指してより一層努力したら……使ってる食材自体のランクも上げざるを得ない。レベルアップのためにはより良い材料を使いたくなるに決まってる。……でもって、その材料費アップ分が、料理の値段に反映されるというワケだ。


料理のレベルアップは大歓迎するけど、それといっしょに値段もアップしちゃったらなぁ……もう1枚多く“福沢諭吉”を手放せますか皆さんは? 前菜+メインを基本にしたビストロ風の店で、その価格設定が2980円の店と4980円の店と比べたら、明らかに出てくるモノは別次元で満足感も倍増するし(しかも実際には値段は2倍になってない!)、その4980円料理と他店の8000円コースとでは、これまたさらに別次元になるモンだ。でもその先はどうだろう? 5000円高くなったからって、5000円分の満足感上乗せにはならないよなぁ……と、経験上私はそう思う。


さらにもっと先にある、客単価ン万円超の、「年に1回」とか場合によっては「一生に1回」しか行く機会のなさそうなスペシャルな店の恍惚感(←満足感ではなく恍惚感)はもちろん否定できるはずもない。でも、最近ちょっとウレシイことがあったから…くらいのノリで「よォし、たまには行っちゃうか!」とイキオイで出かけられるような、私のような一般のメシ好きが少しだけ高揚した気分で行けるような価格帯の「いい店」が減ることになったら、私にはかえって困ることになる。


……それが私にはとっても心配なのだ。
しかも向上心にあふれ志の高い店ほど、より上(味もサービスも価格までも!)を目指しそうなところも痛し痒しだし。