真夏の週末の非常識

Tuduki2007-08-20

週末にパシフィコ横浜で【ポケモンフェスタ2007「ポケモンパルシティ」】なるイベントが開催されていて、長男が行きたがるので日曜日に行ってみたのだけれど……10:30ごろ到着したら既に大行列。


といっても、
そこまでは織り込み済みだったので、さてじゃあ行列の最後尾を探そうとしたら…………「大行列」どころか「“超”大行列」! …どころかさらに「“ギガント”“超”大行列」!!!!!



パシフィコの展示ホール棟を1階〜2階までぐるりと巡る行列まではよく見慣れていたけれど……そんなモンじゃ全然足りなくて、隣接する臨港パークを緑道&海沿いの歩道に沿ってぐるりと取り囲んで……それでもまだまだ足りなくて、臨港パークの芝生広場の中を三度四度と折れ曲がって蛇行していた。要するに広い芝生エリアの全域を占拠していたワケで、芝生にシートを広げて海を眺めながらのんびりお弁当でも食べようとしていた家族連れやカップルには大迷惑な行列の作らせ方……自分たちのイベントさえ開催できりゃオッケーだってのかよ? 非常識にも程がある。


……結局、列の最後尾に辿り着いたのは約30分後の11時。既に「4時間待ち」の看板が立っていた。もちろん我々は行列の蛇行をショートカットしてしてきたワケだけれど、でもそれなのに30分も歩いたワケだから、たぶん行列そのものの長さ自体4〜5km或いはそれ以上あったんじゃないかと思う。日陰のない猛暑日の炎天下を4時間もとぼとぼ歩かせ続けるなんて……まったく非常識にも程がある。
…ってゆうか、熱中症で病院に運ばれる子どもはいなかったんだろうか、余所事ながら心配になったよ私は。


普段はあきらめの悪い長男も、ギガント超大行列(&怒りに満ちた私の表情)を見て、「並ばなくてもいいや」とサッサと諦めてました。



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欽ちゃんの24時間70kmマラソンのゴールの瞬間が、43.9%の超高視聴率(関東地方)だったそうで……。


24時間テレビの“偽善っぽい”感じについては、いろんなところでいろんな人から散々ずっと批判され続けて30年!…なので、わざわざ同様の批判を言うつもりはないけれど。(それからどんなに“偽善っぽく”ても、こうしたわかりやすい演出のチャリティ番組をきっかけに寄付やボランティアに目覚めるヒトだっているし、そういう役割は評価したいし)


でも今回の欽ちゃんのマラソンだけは、はっきりと強烈な嫌悪感を抱いたなぁ…私は。
愛煙家の高齢者をわざわざ猛暑のなか走らせる理由が徹頭徹尾、理解も納得もできなかったから。しかもあえて距離をいつもの100kmから70kmに減らしてまで、それでもヘビースモーカーの年寄りをクソ暑い日に走らせるなんて……。そりゃモチロン、いろんな負荷を乗り越えるからこそカタルシスが得られる…っていうのが、感動物語づくりの基本ではあるけれど、なんか負荷のかけ方をはき違えてるんじゃないのか?


走らせたら死にかねないようなランナーに走らせて感動をムリヤリ絞り出すような、
こんな負荷のかけ方とカタルシスがオッケーだってんなら、

来年はむしろ、寄付を役立ててもらう本人たちに走ってもらえばいいんじゃねぇのか? 
車イスの人を車イスから降ろして走らせたり、
脳性マヒの後遺症で半身の不自由な少年に走らせたり、
寝たきりのお年寄りに走らせたりすりゃいいじゃん。
100km走が無理なら(無理に決まってるけど)、
今年の欽ちゃんと同じリクツとイイワケで距離を短くすりゃいいじゃん。
【24時間で○mを這い続ける!】みたいな企画で。
だって日常生活するにも多大な負荷をかけられ続けている本人たち〜寄付してもらう本人が挑戦するんだよ……涙と感動の嵐になること間違いなしじゃん!


……なんてことが人道的に許されるハズないことは当然のことだけれど、
だったら今回の欽ちゃんの「愛煙家の高齢者をわざわざ猛暑のなか70kmも走らせる」というのだって、企画のベクトルの向きはおんなじ方向だということに気づかないのは、やっぱりマズイんじゃないかと思う。

各々ひとりひとりが自分の立場や状況に見合った立ち位置で、「自分に出来ること」をやるのが社会貢献でありボランティアでありチャリティの在り方なのに……縮小再生産的な24時間マラソン挑戦以外の方法で欽ちゃんにできることなんて山ほどあるのに……。



社会奉仕の精神や体の不自由な人の生き方やその他なにからなにまで、胡散臭いお手軽な感動の演出で小バカにされた気がした週末の私だったのだ。