8月の気配

Tuduki2007-08-01

いよいよ今日から8月…いよいよ全国的に梅雨明け…いよいよ夏本番!
……と思ったら、大きな台風が接近しているようで。なんの、夏はまだまだこれからだ!……ってそれは当たり前。


ふと気づいたのだけれど、
「八月」が名前についた映画ってたくさんあるよなぁ…と。

韓国映画ブームの先駆け『八月のクリスマス』、世界のクロサワ監督作『八月の狂詩曲〈ラプソディー〉』、渋谷のシネマバーの名前にもなってる『八月の鯨』、テレサ野田にドキドキした『八月の濡れた砂』、まだ“俺様”になる前のケヴィン・コスナー主演『8月のメモワール』、社会派の『皇帝のいない八月』なんてのもあったか……沖縄が舞台の『八月のかりゆし』は未見、ほかに検索してみたら『八月の光』、『八月の幻』なんてタイトルも。
……たとえば前後の「七月」や「九月」で検索してみてもさほどヒットしないから、やはり8月にはなにかしら、人々の心に強く感じさせる特別な“何か”があるということなのだろう。


じゃあその“何か”っていったいナニよ?…ということになると、もしかしたら「哀しみ」なんじゃないかと私は思う。


8月って、なんだかもの悲しくないスかね? ある意味「怖い」というか……

お盆があったり被爆の慰霊祭があったり終戦記念日があったり…といった歳時記ライクな部分で「死」の気配を感じるせいもあるだろうけれど、それだけの理由じゃなく、8月そのものに「死」とか「滅び」の気配をなぜだか感じてしまう私だ……毎年毎年、8月になるたびに。


太陽はギラギラと眩しいけれど意外に日暮れも早くて、既にピークは過ぎていることを実感させる……昼間ずっとジジジジうるさいセミが、翌朝は道ばたに落ちている……いつのまにか動かなくなっていたカブトムシ……


8月はなんだか、あちらこちらに「死」の気配。
眩しいし暑いしエネルギッシュだし水着姿に目がいくし肌の露出が多いから、全体的には「生命」感や「情熱」にあふれているのだけれど、だからこそ逆に正反対のものまでが目立ってしまうんじゃないかと…それで却って「哀しみ」を感じてしまうんじゃないかと思う。……強い光は影までくっきり描き出すものだ。


まだ始まったばかりだからいいけれど、
カナカナとヒグラシが鳴いて、血の色をした赤トンボが飛び交うような8月後半の夕暮れともなれば、今年も私は8月の「哀しみ」に押し潰されそうになってしまうことだろう……。





……なんて詩人のようなこと書いちゃいましたが、
8月の後半が「哀しみ」にあふれているのは、もっと単純に「夏休みがあと少しになってしまってガッカリ」という子ども時代の記憶に起因しているだけのような気もします(笑)。