映画化の恩恵

Tuduki2007-07-28

どうでもよいことを白状しますが、
くらもちふさこを読みたくて、高校〜大学生のころ、
“別マ”こと【別冊マーガレット】を毎月欠かさず買ってました(笑)。


今でこそ醜い海坊主のごとき私とはいえ、当時はイカした美少年だったから…とまで言うとさすがにウソになってしまうが、少女マンガを定期購読しても変な目で見られない程度には、ギリギリ許容範囲内だったんじゃないかと思う……思いたい(笑)。
なんてことはともかく、『いつもポケットにショパン』、『東京のカサノバ』、『アンコールが3回』、『千花ちゃんちはふつう』etc.くらもちふさこのマンガを 夢中になって読んでました。


そんな秀作揃いのくらもち作品のなかでも、『天然コケコッコー』は最高傑作なんじゃないかと私は思う。


ティーン読者向けの別マから大人向けの【コーラス】へと発表の場を移しての、最初の作品。過疎村に暮らす女子中学生“右田そよ”の分校に、都会育ちのカッコイイ“大沢くん”が転校してきて……という物語。あの年頃特有の細やかでみずみずしい感情を丁寧に描いた傑作でした、『天然コケコッコー』は! 


2年くらい前にそのことを急に思い出して、久しぶりに読みたいなぁ…と思って、書店で思い出すたびにコミック売り場に行くんだけど、あいにく売ってない。『天然コケコッコー』だけでなく、くらもちふさこの単行本自体が、そもそもほとんど売ってない。まぁ活躍した時期はもう昔のことだからなぁ…と寂しく思っていたところでした。


それがなんと『天然コケコッコー』映画化決定! ……そんな吉報を受けたのは1年くらい前でした。
大好きな作品だけに、映画を観るのは却って躊躇してしまうけれど、映画公開に乗じて単行本が復刊するにちがいない! ふふふ、ようやく10年ぶりにまた『天然コケコッコー』が読めるぞ! ……そう考えてニヤニヤする私だった。こういう映画化による恩恵は、とってもありがたくウレシイことだ。


……ところが、
単行本復刊の時期を調べようとamazonほかで検索しても、全然ヒットしない。……変だなぁ? おかしいなぁ? 『〜ショパン』も『〜カサノバ』も『千花ちゃん〜』もあるのに、どうして『天然コケコッコー』は売ってないんだろう?? もしや、なにか問題があって絶版になったんだろうか? ある作品がさまざまな理由(盗作やトレース疑惑)でこっそり回収&廃棄される事例はマンガ業界には山ほどあるけれど……でもそういう作品が映画化されるなんてことは常識じゃあり得ないよなぁ??


てな具合にしばらく不審がっていたのだけれど、先日その謎がするりと氷解した。


なんてこった! ……ここまで読んでいただいた皆さん、おそらくとっくにお気づきだろうが、
作品名は天然コケッコーだったのだ本当は……『天然コケコッコー』ではなくて。


くらもちふさこの最高傑作!”なんて言っときながら、作品タイトルをずっと間違って覚えていたなんて……トホホのホ。映画化されてその宣伝チラシを見なければ、私は今後もずっと間違った思いこみのタイトルを覚え続けていたことだろう…………これこそが、まさに「映画化の恩恵」だったのでしたよ私には!


そんな映画『天然コケッコー』はいよいよ本日7/28より全国順次公開ロードショー!
http://www.tenkoke.com/

映画を観るかどうかはいまだに思案中……マンガはもちろん全巻まとめて“大人買い”。