談志&志らく

昨夜は、【立川談志志らく 親子会】へ。
落語好き…というよりも立川流を極端に偏愛する私にとっては、家元談志師匠と、その(狂気の部分を主に)後継者のひとり志らく師匠の組み合わせは、プラチナチケットそのものだ。


偏愛しすぎている私なものだから、
内容についての感想を偏った視点で五月蠅く書き散らすのは野暮ってモンだろう。なのでやめときます。


談志師匠の高座を見るたびに、
「あと何回ナマで見られるのかなぁ…」と“カウントダウン”モードになっちゃうのは正直な心境。
高齢…ってほどじゃないけどガンの闘病もやってるし、若い頃に「四天王」と並び称された噺家たちも、柳朝と志ん朝はとっくに鬼籍に入り、圓楽もとうとう引退したし。ひとり残った談志師匠もいつかは…そのうち…そろそろ?……とはつい考えちゃうよなぁやっぱり。
※四天王にはもうひとり、円鏡(現・圓蔵)がいるけど……私はあんまり興味がない。


今回も、そんな家元の“老い”だとか“衰え”が垣間見られる瞬間が何度もあったんだけど、
観客はみんな私同様に“カウントダウン”モードだから、なんか生前の思い出に残る場面に遭遇できたような、むしろ得した気になったんじゃなかろうか? また御本人がそういう自分をネタにしてしまえるところが……笑わせてもらいながらも凄みを感じた。あと、70過ぎのお年寄りが演じているってのに、吉原の芸者がやけに艶っぽくて可愛らしくて……あれもホントに凄いなぁと思う。


志らく師匠の3席も大笑いした。
私より2歳上のほとんど同世代のこういう才能を、同世代の感覚で長い年月かけて眺めていけるのは、ものすごく得した気分。私は幸運だ。


ふたりとも一般の実社会だったら“コワレたヒト”だと思う。
敵が多いのも、毒舌だけじゃなく“人間として間違ってる”部分も多々あるんじゃないかと思う……一般の実社会ならば。
でも一般の実社会のモノサシで芸人を測る必要なんかまったくないし、
一般の実社会では目撃できないwonderなsomethingが見られるから、客は喜んでカネを払うのだ。