田圃都市生活

Tuduki2007-06-18

私が通勤に利用している路線は、「東急田園都市線」という。


この場合の“田園”というのは、いわゆる“田畑”を直接指すのではなく、19世紀末のイギリスでE・ハワードによって提唱された「田園都市構想」に由来していると思われる。もともとの自然を残し、公園や農業で緑を確保し、産業も誘致した職住近接型の環境に恵まれた近郊都市…みたいな理想をかかげた構想で、私の住む港北ニュータウンのような、ニュータウンの建設コンセプトの基礎になってるものだ。
もっとも実際のところは、“職住近接”ライフを送る住人なんて微々たるモンで、ほとんどの住人は私同様に都心で働き郊外へ帰るベッドタウン族なんだろうけど。溝の口駅を過ぎたあたりから先、田園都市線の車窓からは、郊外の小洒落た(つもりの)住宅群が延々とどこまでも続いている。そして、その合間を縫うように時折、チラホラと田畑が顔を出す。


……とはいえ、
田園都市線の駅からちょっと奥に入れば、御覧のような「ザ・田舎」な風景が本当に広がっている。


まぁタネ明かしすれば、ここは【寺家ふるさと村】という地域で、乱開発を禁じられている場所。要するに、なつかしい里山の田園風景を守るために、横浜市によって保護されている地域なのだ。だからこの写真で「田園」を語るのは少々ズルイとも言えるんだけど……ここまでのわざとらしいほどの「ザ・田舎」な景観でさえなければ、青葉区都筑区のあたりは小洒落た(つもりの)住宅群のすぐ隣に、田畑がかなり豊かに広がっている。
そのへんが、東京23区と横浜市の大きな違いだと思う。横浜市にはまだまだ、ヨコハマとかYOKOHAMAみたいな表記が似合わない場所が山ほどあるのだ。(横浜市○○区ともなると、【寺家ふるさと村】のように保護されてはいないくせに、リアル里山風景が広がっている場所すらある)。



今はちょうど田植えの時期のようで、こないだ植えられたばかりの苗も今から植えられる予定のブロック状になった苗も、それぞれ青々と生き生きと輝いていた。


で、じつは我が家でも田んぼをつくってみたりして……稲作に初挑戦中なのだ。

▲GWにつくったMy田んぼ。玄米を発芽させて苗にしました。

てなワケで、最近の私はまさに「田園都市生活」ならぬ「田圃(たんぼ)都市生活」を満喫しているような次第。


庭の巣箱も毎日、シジュウカラが頻繁に出入りしている。
 

毎日、朝っぱらからトリの鳴き声を聴いたり写真を撮っていると、なんだかずいぶんとまぁ都会の遊びから縁遠い暮らしになったモンだなぁ…と、しみじみする次第。