ケータイ感あふれる暮らしについて

Tuduki2007-06-13

今さらだけど、ケータイってものすごい進化を続けてるなぁ…と考えた次第。


通話する以外にメールもできるようになったときは、それでもまだ「通信」という同ジャンル内での付加価値アップでまっとうな進化という感じだったけれど、i-MODEで調べものが出来るようになったときは、これじゃまるでパソコンじゃん…と驚いたモンだ。さらにカメラ機能から動画までも撮れるようになって、とうとうテレビまで観られるようになった。もちろんゲームもできる。ソニーの新しいケータイはプロモビデオつきで音楽を楽しめるそうだし、マックのiPHONEなんて電話としての機能はワン・オブ・ゼムでしかない。


もはや電話以外の目的で使用する時間のほうが長いんだから、こりゃ「携帯電話」という名前は早晩死語になるな。「ケータイ」という呼び名が略称から正式名称になる日も近いんじゃないか?…とすら思う。だって「ケータイ」ひとつあれば生活するのに困らないんだから。


出版業界では古くから、「電話と机さえあれば出版社をつくれる」という言葉があるそうで、要は本づくりするのに特別な道具はいらない…ということなんだけど、現代では「ケータイひとつあれば出版社をつくれる」んじゃないか? スケジュール管理も原稿書きもケータイでできるし。今じゃケータイで書いた小説専門の文学賞まであるほどだし、原稿のやりとりまでケータイ送信で楽々だ。おまけに写真だって撮れるからグラビアページだってつくれる…と言うには無理があるにしても、電卓機能で経費の精算はできる(笑)。徹夜続きでほんの小一時間仮眠したいときには目覚まし時計にもなる(笑)。

もちろん編集者じゃなくたって、ケータイさえ使える場所にいれば、日常生活に支障ない感はあるよなぁ……若者の路上ホームレスが増えるのも、ケータイさえあればそれでも困らないモンな…と納得だ。



なんて具合にケータイのことを改めて考えたのは、とうとう私の年老いた両親までもケータイを購入したからだ。
ららぽ横浜のドコモショップに行って、「年寄りにいちばん使いやすいケータイはどれだい?」と訊いて、「それではコチラはいかがでしょうか?」と提案されたのを、「じゃ、それをふたつチョーダイ」と言って買ってきたんだそうだ。だから73歳と66歳の老夫婦の初ケータイは、色違いのおそろいである。ラブラブだ。


いったいどのあたりが年寄り向けなのかと思ったら、画面の字がとても大きかった。それからボタンも大きめで押しやすそうだ。でもまぁそのあたりは予想どおりだったのだけれど、


「最近のケータイにはいろんな機能がついてるんだねェ……お店のお姉ちゃんがオススメしてくれたコレなんて、万歩計がついてるんだよ」


とお袋が言ったときは、耳を疑った。「ま…万歩計ッ!? まさか…」と思ったのだけれど、なるほどホントに歩数計(←「万歩計」は某社の登録商標)の機能がついていた。「これなら健康にもいいからねぇ……で、買うことにしたんだよ」…って、それが購入の決め手かよっ!?(笑) まあたしかにウチの両親の場合は、老化防止によく歩いているようなので役立つ機能かもしれない。……おそらくららぽのドコモショップまでだって、1時間ほどの道のりだからズンズン歩いていったに決まってる(笑)。


後日いろいろ調べてみたら、歩数計つきケータイは新製品でもなんでもなく、'03の秋に世界初登場していたらしい。なので私が知らなかっただけで、ケータイ業界やヘルス業界的にはあったりまえの常識であったようだ。思いつきのニッチ商品みたいな機能なのに4年間も生き続けているということは、相応のニーズがあるってことなんだろうな…おそらく。


まったくケータイの多機能ぶりには驚くことばっかりだ。TVや音楽なんて若者にアピールする機能ばかりでなく、来たる高齢社会に向けて、その準備もすでに万端なのだろう。



ところで、くだんの年老いた我が両親、
購入に際して「死んだあとはどうすればいいんだい?」と質問したそうだ。
そんなシリアスな質問をちょろりとするほうもナンだけど、
「生き残ったほうの方が亡くなられた方のケータイをショップにお持ちいただければ、解約手続きをいたしますので御安心ください」と笑顔で教えてくれたそうだ。


う〜〜〜む、高齢社会に向けたアフターサービスも万全なり(笑)。