大人になるとわかること

Tuduki2007-04-25

子どもの頃に意味なんか考えないで覚えた言葉が、あとになってから「おおっ… そういう意味だったのか!?」なんて気がついて大変驚くことがある。



たとえば、卒業式に歌う『仰げば尊し』の「♪いまこそわかれめ いざさらば」という歌詞。小学校で覚えさせられたときはてっきり「今こそ分かれ目」だと思っていたけれど、本当は「今こそ別れめ」であり、【「こそ」+推量の助動詞「む」の已然形】となり……わぉ? 係り結びだったのか! ……なんてそんなふうに、年齢とともに知識が増えるに従って、突然気がついて驚くことがよくあるモンだ。


まあ、そんなふうなアカデミックな驚きならば、「オレも物知りになったもんだよ」なんて思えてちょっと誇らしかったのだけれど。


ドラえもん』に登場する「セワシ」(=のび太の孫の孫)という名前が、「忙しい(せわしい)」から来ているであろうことに、先週ようやく気がついた。のんびり「のび太」との対比で「セワシ」だったのか! ……40歳を過ぎるまで気づかなかったとはトホホ。


それから、『アルプスいちまんじゃく』の歌詞。

「いちまんじゃく」が漢字で書くと「一万尺」となり、おお? アルプスの高さを歌ってたのか!…と気がついたのは、予備校帰りの東海道線の車中だった。あの瞬間も、驚きとともに目の前の霧が晴れるような爽快感があったよなぁ……いまになってみるとむしろ、19歳の若者がなぜ『アルプスいちまんじゃく』の歌詞のことを考えていたのか?…そっちのほうがむしろ不可解でまるで闇の中だ(笑)。

で、あの歌詞の「♪コヤリの上で アルペン踊りを さあ踊りましょう」という部分。「コヤリ」ってのを私はずっと、登山用具だかキャンプ用具だか知らんけど、とにかくアルピニストもしくは山間生活者ならば必携のマストアイテムのなにかのことだと思っていたのだけれど。
ところが一昨日ふと気がついた。「あれれ? コヤリの“ヤリ”って……もしかしたら槍ヶ岳のことか?」

調べてみたら、やっぱりそうだった。「小槍」というのは槍ヶ岳にある尖った峰のひとつなんだとか。


………………
……てことは、なにか?
私は42年間ず〜〜っと、この歌を聴くたびにハイジやペーターやクララの世界を想像していたのに、本当は日本アルプスのことだったのか!? 正しくは長野県の景色を思い浮かべるべきだったというのか!? 正解は「丸くて大きなチーズと黒パン」じゃなくて「野沢菜に麦飯」をイメージすべきだったというのかッッ!?



……てことは、つまり「アルペン踊り」というのも
私は42年間ず〜〜っと、こういうのを想像していたのだけれど

写真提供:スイス政府観光局 http://www.myswiss.jp


実際にはこういう感じだったということなのか??????

ガ〜〜〜ン…………