妻の大発見

Tuduki2007-04-19

ひとりで晩酌してると、いつもは息子たちといっしょに眠ってしまう妻が起きてきた。で、ニヤニヤしながら「今日さぁ、スゴイことに気がついちゃったのよ♪」と。


いったいなにごとかと思ったら、妻の発見とはこんなことだった。
「ダンナの悪口で盛り上がりたがるのは、バブル世代のママたちだけ!」


へ??…と私が戸惑っていると、
「だからね、ママさん達が集まるランチや呑み会があるでしょ。そんなときにダンナさんの不満や愚痴を、自分で言ったりヨソのを聞いたりしたがるのは、バブル世代のママたちだけなのよ」


「えぇ〜…そんなワケないだろ? ヨソの奥さんだって(我が家同様に)ダンナへの不満バリバリなんじゃないの?」と私が言うと、「それが違うのよ! 20代から30歳前半の若いママたちは、ダンナの不満なんか言わないの。それどころか、バブル世代ママたちに“生まれ変わったら今度はどんなヒトと結婚したい?”と訊かれても、“やっぱり今のパパがいいなぁ〜”なんて答えるのよ! まったくナニ考えてんのかしらね?」と妻。


「そりゃ単に、若いママたちはまだ結婚して数年だからラブラブモードが続いてるだけなんじゃないの?」と私が言うと、妻はふふんと鼻で嗤う。
「全然わかっちゃないわねぇ……バブル世代ママたちは、若い頃から現在に至るまでずっとずっと、ダンナの愚痴を言い続けてきてるのよ!」


長男と次男のあいだが4歳、次男と三男のあいだが3歳…と少々年齢差があるウチの息子たち。そのおかげで妻はある意味、ママ達の世界がどう変わっていくかをじっと見つめてきた「定点観測者」とも言えるワケだ。長男のときのママ仲間は私と年齢が同じくらいのバブル世代が主流だったけれど、三男のママ仲間にもなると妻よりも若い世代が増えているんだそうだ。もちろんバブル世代ママもいるけれど、人数的にはやはりもう主流ではない…と。


「でね、昔のママ飲み会は、たしかにダンナの悪口で盛り上がってたんだけど、いま若いママたちが多い集まりだとサッパリなのよ。それでバブル世代ママは、ダンナの愚痴を吐き出してスッキリしたいけど誰ものってこないからガマンしてる…ってワケ」

「たぶんね、若いママたちのほうが現実的というか堅実なんだと思うのよね。就職難だ不景気だと世の中が暗いなかで、それでも結婚したワケでしょ。いっしょに協力して乗り越えていこう…って感じがすごくするのよ。それに比べてバブル世代ママたちは、“男なんてよりどりみどり選び放題だったのに選択をまちがえた”とか“独身の頃は毎晩遊んで楽しかった”…なんて話で笑うのが好きなのよね」


ふぅむ……なるほど。たしかに休日の公園なんかでも若いパパたちはごくフツーに子どもと遊んでるもんな。育児に家事に協力してんだ。思い出してみれば、長男が赤ん坊だったころは今より公園にいる父親の数が少なかったし、子どもを勝手に遊ばせて自分はベンチでタバコ吸ったり新聞読んでるだけ…ってお父さんも多かった。バブル世代ママと結婚した世代〜いま40代半ばから後半くらい?〜の男性だと、育児も家事もそこそこに「これも仕事のつきあいのウチ」なんて言いながら、土日もゴルフや草野球に行ってたような印象があるぞ(笑)。それじゃ「選択をまちがえた」と文句を言われたって仕方があるまい。若い頃から現在に至るまでずっとダンナの文句を言いたがるバブル世代ママも困りモンだけれど、そのパパたちだって文句を言われても仕方ない面があるワケだ。……なんて、他人事のように分析してる場合じゃないか私も(笑)。


「ほかにも、バブル世代ママならではの特徴ってあるの?」と私が尋ねたら、
「そうねぇ……あ、そうそう! 『ワインの味を自分の言葉で語りたがるヒトが多い』…ってのもあるわね」


「フツーにグラスワインを頼んでも、軽いとか酸味がどうとかフルーティな香りとか、とりあえずなにかひとこと言いたがるのは、バブル世代ママに圧倒的に多いわね。そういえばソムリエのスクールに入らないかって誘われたのも、バブル世代の○○さんだったわ!」と妻。へぇ〜、若い世代はあんまり言わないんだ…と私が感心すると、
「赤でも白でも注文どおりの色を持ってくればそれでいいじゃん…みたいな雰囲気はあるわね。ソムリエを目指すカルチャースクールに行こうなんて言ったら、なんのために?…って聞き返されちゃうよきっと」


ふむふむ。ま、もちろん個人差は大きいだろうから決めつけることはできないけれど、世代的な傾向というのはたしかにありそうだ。妻の子育てはまだまだ続く(…って、あオレもか)。今後の妻の新たな発見が楽しみである。