プラネタリウムみたび

Tuduki2007-04-04

またまた性懲りもなく日本橋プラネタリウムを鑑賞。新しいプログラムを回し始めたからだ。


3/21から始まったプログラムは『宇宙へのパスポート』。新たにひとつ加えたのかと思ったら、鳴り物入りの目玉企画だったハズの『HOKUSAI 北斎の宇宙』を差し替えたスケジュールに変更されていた。まぁ『北斎の宇宙』は内容が酷すぎたから。さては緊急のテコ入れか?…というふうにも見えるけれど、主催が(コストに敏感な)三井不動産なんだから期間限定イベントの途中で新予算を捻出するとは思えない。新プログラムは当初からの予定どおりなのだろう……もっとも、そもそも『北斎の宇宙』はメインプログラムだったハズだから、元々はサブ企画『星空のおくりもの』のほうを差し替える予定だったのに急遽変更した可能性はあるぞ…と。


新プログラムは二部構成。第一部『宇宙への誘い』は、世界最高性能機メガスターⅡが描く星空を背景にして、宇宙航空研究開発機構JAXA)主催でつくられた『宇宙連詩』24篇が朗読される“癒し系”の内容。谷川俊太郎ら著名詩人から研究者そして小学生までの連作詩が綴られてゆく。そして第二部『宇宙へのパスポート』は、アメリカ自然史博物館の人気プログラムの借り物だ。地球から遠く、太陽系→銀河系→銀河団そしてさらに先へ…とヴァーチャル・トリップする内容。博物館のプログラムだけに演出はドラマチックだけれど、とっても“おべんきょう系”の内容だ。アメリカ版のナレーションはなんとトム・ハンクス!だそうだ。でも日本語吹き替え版だって、ニッポンの誇る“山ちゃん”こと山寺宏一!……全然負けてないぞ(笑)。


さて感想だけれど。
『宇宙へのパスポート』は、さすが自然史博物館の人気プログラムだけあって、春休みの子ども達にふさわしい内容だった。宇宙への興味が高まるんじゃないかな(……つまりわざわざプラネタリウムを観にくるような大人には知ってるネタとも言える)。対して『宇宙への誘い』のほうは……こりゃ明らかに“水増し”のために追加した企画。『〜パスポート』だけじゃ20分しか尺がないもんだから、それじゃ1000円の入場料とれないだろう…と低予算でつくった付け足し企画。星空を背景に詩のことばが浮かぶだけなんだから。

ところが、
じゃあ『〜誘い』の負け、『〜パスポート』の勝ちかっていうと…そうでもない。両プログラムが描く、星空のクオリティがまったく段違いのレベルなのだ。『〜パスポート』のほうは借り物のプログラム、つくられたのは2000年つまり今から7年も前だし、もちろんメガスターⅡの性能に見合った画質でもない。だから満天の星空が描かれても、その質感はまったく違う。たとえるなら、同じ映画を「テレビ放映を3倍録画したVHS」vs.「買ってきたDVD」とで見比べるほどにも違う。……でも数年前までは、この程度の画質でも「わぁ…きれいな星空」なんて感動してたんだよなぁ。改めてメガスターⅡの高性能ぶりに驚かされた。しかも対する『〜誘い』のほうは低予算が功を奏して(?)、画面がほぼ動かないものだから精緻に描かれた星空をじっくり見ることができる……詩のほうにもちょっとウルウルさせられちゃうし。(あ…そうか。この“水増し”部分がないと、メガスターⅡを使う意味がないというワケか!)


そんなワケで、入場料1000円はちょっと高いかな…と思いつつ、それなりに満足できる内容ではありました。なお、チラシによって当該メガスターⅡは4号機タイタンであることを知りました。


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アメリカ自然史博物館といえば……
そこを舞台にしたコメディ映画が、現在公開中の『ナイト ミュージアム』。予告編やTV-CFでT-レックスの動く化石にベン・スティラーが追いかけられていたけれど、そのT-レックスの化石だって映画『GODZILLA』ではアメリカ版ゴジラに踏みつぶされていた(笑)。映画にちょくちょく登場するってことは、それだけアメリカ人またN.Y.市民にとっては馴染み深くて愛されている博物館ってことなのだろう。


さて、映画の感想だけれど。
博物館の展示物が夜な夜な本当に動き回る…っていうその映像だけで、博物館好きの私にはもう充分に満足。映画としてのクオリティとかそういう難しいことは、今回はもうどうでもいいです(笑)。