新しいワザを考えてみた

Tuduki2007-03-26

世界フィギュア、スゴかったなぁ……。高橋の日本男子史上初の銀メダル獲得の快挙には心が躍ったし、まさかのSP出遅れから立ち直った真央ちゃんは感動的だったし、ミキティ復活となった優勝も劇的でした。


……なんてことを一応書いてみたけれど。
あいや、実際に生中継を見ながら実際に感動もしたのだけれど……なんて言うのかなぁ、途中で飽きちゃったりしませんでしたか?>皆さん。 画面の中で人間離れしたパフォーマンス合戦が繰り広げられているってのに、ついつい裏番組のお笑いバラエティや旅番組が気になってチャンネルを慌ただしく何度も切り替えちゃうような……私はそうでした。

で、なぜそうなってしまうのかつらつら考えてみるに…なるほどそうか、ワザの差異が小さいからだ!…ということに気がついた。横文字の名がついた様々なヴァリエーションに満ちたワザがあることは私も知っているが、よくよく考えてみればフィギュアスケートというのは「スーッと滑る」「クルクル回る」「ピョンと跳ぶ」の3種類の動きの組み合わせしかないのだ。しかもその組み合わせ方にそれほど特異なものがないもんだから、3回転・3回転半・4回転…などと、いちいち回転数にこだわることで、わずかながらも“個性”を出そうとしてるんじゃないかな? まぁ3回転より1回転でも半回転でも多くクルクルできたほうがスゴイというのはアスリート精神的に理解できるけれど、腕の細やかな動きだとか007のコスプレなんてところでオリジナリティを出そうとするのは、フィギュアだって五輪種目になってるスポーツなんだからなぁ…と思うと、所詮は小手先の目眩ましな感じがしてしまう。そこで、もっとアスリート精神にのっとって、しかも観客が驚いて、さらに私がテレビ東京にチャンネルを替えずにすむような(笑)、新しいワザを考えてみたい。


A案:縦に回転する
回転ジャンプというのはどれもみな横に回転するけれど、あえて縦に回転してみるのはどうだろうか? つまり前方宙返り(前宙)やバック宙である。横回転ばかりの中で縦回転やったら、相当にインパクト強いぞこれは。このワザが定着すれば、体操競技みたいに斜めのひねり回転をする選手もいずれ現れるだろう。

B案:逆に回転する
どうしてフィギュアの回転って、みんな同じ左回りなんだろうか? たまに逆回転する選手がいると、それだけで注目されるくらいだから、よほど珍しいのだろう。しかも、右回りと左回りを競技中に使い分ける選手っていないんじゃないかな? それならなおさら目立つではないか。さっきまで左回転だったのに突然反対向きに回り出したり、最初のジャンプは左回りで次のジャンプは右回り…なんてワザができたら、巻き切ったゴムが弾けたみたいで、みんなビックリすると思うんだけどなぁ……

C案:動きを完全に止める
フィギュアスケートって常に動き続ける競技だから、時おり「なんだかコマネズミみたいだな」なんて醒めた目で見てしまうことがある。そりゃたしかに回転やジャンプは見事だけれど、なんだか全体的に“せわしない”のだ。そういう印象があるからこそ、「動」の連続の中に「静」を盛り込んだ荒川静香選手のイナバウアーは、本来得点にならないワザであるにもかかわらず、「静」の美しさを生み出し且つ演技の流れにメリハリをつけられたのだと思う。だから、それならいっそのこと完全に止まっちゃうのはどうだろうか? ス〜〜ッと氷上をなめらかに滑っていたのに突然ピタッと止まったら、これはビックリするだろきっと。もちろんちゃんとヴォーギング(雑誌【VOGUE】が語源の、非日常的で不可思議なモデルポーズ)はキープだ。それからビールマン・スピンなんかもたいていはグングン回転が速くなるばかりだけど、逆にだんだんと遅くなって(←こうやる選手は何人かいるが)、最終的に“ビールマン立ち”のまんま数秒間ピタッと静止したら、コレはカッコイイと思うんだがなぁ……前衛彫刻みたいでさ。

D案:低く回転ジャンプする
しゃがみ込んで高速回転するワザ(シットスピン)があるけれど、あの低い高さと回転を保ったまんまジャンプしたら、これまたビックリすると思うのだが。たとえるなら空飛ぶ円盤が飛び立つときに脚を格納するイメージ。「おおっ……宙に浮いてる!」なんていうふうに見えないものか……?


え〜と……、フィギュアスケートが「客をビックリさせたほうが勝ち」という競技なんかじゃないことは重々承知しておりますが、それでもやっぱり「ビックリ」は感動への早道だとも考えるので、思いつくままに書き記してみた次第。もしかしたら物理学上ありえない動きもあるかも知れないが、常人の常識を超えたアスリートたちならば、不可能を可能にしてしまわないとも限らない。そのときに今日の日記を示して「ほらな、オレがズ〜〜ッと前から言ってたとおりだろ」と自慢するために、思いつくままに書き記してみた次第…ってワケなのだ(笑)。


※後注:調べてみたら、A案の「縦に回転する」は危険行為として禁止されているそうです……道理で誰もやってないハズだ(笑)。長野五輪のエキシビジョンでフランスのフィリップ・キャンデロロ選手がやって喝采を受けたそうです。また、同じくフランスの黒人女子選手スルヤ・ボナリーも現役最後の試合でバック宙をした(←抗議のためという説あり)そうです。