タミフル神話の崩壊?

Tuduki2007-03-22

幻覚や異常行動が問題視されてきたタミフル厚労省は、つい先日は「因果関係なし」と言ってたクセに「10代への処方原則禁止」と正反対の方針転換……


【10代へのタミフル処方中止】http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070321-00000000-san-soci

厚生労働省20日、インフルエンザ治療薬「タミフル」服用後、12歳の男児の転落事故が2件相次いだと発表した。2人は足の骨を折るなどのけがを負った。厚生労働省は同日、同薬輸入販売元「中外製薬」に対し、10代の患者については原則として中止するよう、医療機関に警告することを指示した。

 10代の異常行動は2月以降計4件となり、「因果関係は明白ではないものの、注意喚起を呼び掛ける必要がある」と判断、緊急指示となった。

 厚労省によると、今月18日、インフルエンザと診断された12歳の男児タミフルを服用して就寝、約30分後に突然2階に駆け上がった。一度は母親が連れ戻したが、再び2階に駆け上がって飛び降りた。男児は右足のかかとを骨折した。

 また2月8日に2階から飛び降りた12歳の男児は、前日の昼と夜にタミフルを服用。夜中外に飛び出したが父親は気づいて家の中に入れた。直後に2階に駆け上がって窓を開けて飛び降りた。男児は右ひざを骨折した。

 2件の事故を受けて厚労省は、タミフルの添付文書に「10歳以上の未成年患者においては、因果関係は不明であるが、服用後に異常行動を発現し、転落などの事故の例が報告されている」「ハイリスク患者と判断される場合を除いて、原則として使用を差し控えること」と、処方中止を記載するよう求めている。

 タミフルをめぐっては2月、愛知県蒲郡市仙台市で、服用した中学生がマンションから相次いで転落死。厚労省は異常行動の恐れがあることを、患者や家族に説明するよう医療関係者に文書で呼び掛けていた。

 ただ、因果関係に否定的な立場を取り、これまで注意喚起にとどめていた。(産経新聞

【異常行動16件を把握しながら非公表】http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070321-00000016-yom-soci

インフルエンザ治療薬「タミフル」を巡る問題で、服用後に未成年者が飛び降り・転落などの異常行動をとったケースは、厚生労働省が把握しているだけで計16件あることが21日、分かった。

 同省はタミフルと異常行動の関連について否定的な姿勢をとり続けているが、成年の事例もあわせた計23件すべてについて、因果関係の有無を精査しなおすことを決めた。

 厚労省は同日午後、2月中に、12歳と16歳の男児タミフル服用後、2階から飛び降りるなどした事故があったことを新たに明らかにした。これで未成年者の異常行動は計16件になり、すべて10代だった。

 同日未明に、10代への使用中止に関する記者会見をした際には、この2件について公表していなかったが、同省はその理由について、「インフルエンザを発症した未成年者から目を離さないよう注意喚起した先月28日の対策以前の事例なので、公表する必要はないと考えた」としている。 (読売新聞)

どうなってんだろうね……厚労省? どんな言い訳や強弁しようが、世間の誰もがこれは「隠蔽」だと思うよなぁ。もともと昔ッから隠蔽体質でそれが大問題になり続けてるのにまたかよ…と。というよりも、隠蔽体質を直すつもりなんかまったくないんだろうな厚生労働省のお歴々は。そのせいで死ななくてもよい人まで死んでしまうことについて、良心の呵責もなく生きていけるものなのかね…普通の人間が?


この、今回はじめて公表された16件の異常行動だけれど、じつは先日の息子を病院に連れていったそのときに、医者から聞かされていた(そのときの日記はhttp://d.hatena.ne.jp/Tuduki/20070315)。これこれこんな例がありましたよ…と何件かを具体的に。要するに、世間にはまったく知らされてなかった事実が、研究会だか学閥だか知らないけど医者同士のネットワーク内では、「公然の秘密」であり「常識」だったということだ。……いや、“秘密”ですらないか。患者の親である私に詳しく説明してくれるための材料として、その例を活用していたんだから。

町医者が説明のために話してくれたような情報を、わざわざ非公表にしていた…というところに、厚労省や医薬品メーカーなんかの強力な思惑〜それも営利関係にものすごく敏感な思惑〜が垣間見えた気がして、背筋がひんやりとうすら寒い思いだ……インフルエンザに感染してもいないのに。


「10代の脳は未成熟で不安定だから、副作用(←とハッキリ言っていた)が出てしまうと考えられます」と、当の医者は言っていた。それでもインフルエンザ脳症になって死んだり後遺症が生じるよりはずっとリスクが少ない…とその医者が判断しているのは先般の日記のとおり。むしろこんなふうに、タミフル処方禁止となってしまうことを危惧するような口ぶりだった……既に予想してたんだろうなおそらく。

小学4年生のウチの子も、一応「10代の男子」なので、処方箋は慎重につくってくれた。「体格が成人並みになってくるせいで、成人並みの量を処方してしまうのも一因かもしれません」と言って、息子の体重を量ったうえで計算し、現在の体格に見合った分のタミフルを粉薬で出すように…と処方箋に指示していた。「カプセル剤じゃ微妙な調整ができませんからね」と。……そんなワケで、先日の日記に付したタミフルの写真は、ホントは借り物(イメージ写真)です。だって粉薬の写真じゃなんなのか判らないから…という理由による、表現上の演出でした。


そうしてタミフルを飲んだ息子。慎重に処方されたおかげ(?)か、幻覚も異常行動もなくてホッとした。……のはよいのだけれど、じつをいうと、今回はこれがさっぱり効かなかったのだ。まぁ体温が39℃超になることはなかったので、「さっぱり〜」は言い過ぎで少しは効いたのかもしれないけれど、完治するまで結局まるまる1週間かかってしまった。タミフルの魅力って、やはりその速効性にこそあると考えていたので、コレじゃ意味ないじゃん!…という思い。分量を体重に合わせて慎重に処方したらこんな程度の効き目かよ……なんて考えると、医者の“(異常行動は)成人並みの量を処方してしまうのも一因かも”という言葉が、かなり気がかりになってくる。


もしかしたら、ものすごかった効き目も幻覚も、単にオーバードーズだったんじゃないのか…と。過剰摂取(オーバードーズ)で、超キいたりバッドトリップに陥ったり…といったら、まさにドラッグそのものじゃんかよ…と。