『バブルへGO!!』見てから『汽車でGO!!』

Tuduki2007-02-14

ホイチョイ新作映画『バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式』を観た。ホイチョイとフジテレビにしては、マーケティングを読み誤ったかな…と思った。


バブル景気の世相が“記号”的に配列されてはいるけれど、あの頃の「気持ち」が伝わってこないんじゃ、他の世代(とくに若い観客)にはまったくの他人事で興味の持ちようもない。あの懐かしネタだけで食いついていけるのは、特定の世代の特定のカテゴリーの連中だけじゃん……つまりは、昔ヤンエグとか名乗って浮かれてたヒトたちだけで。でもその連中って、いま映画館に行く層の中核でもなんでもないじゃん。これではターゲットとする市場が小さすぎる。

バブル景気って(はじけたことにさえ目をつぶれば)みんなバカだけどみんな前向きだった時代だったハズ。世の中が、映画で表した以上にもっとずっと面白かったのに……。そんな「気持ち」をしっかり伝えてくれないと、せっかくのラストが活きないじゃん…と残念に思う。或いはそんな「気持ち」をしっかり伝えた結果、ますますバブル世代が嫌われることになるかもしれないけれど(笑)、それもまた結構なことじゃん…とも。

でも私は好き。なぜなら昔ヤンエグとか名乗って浮かれてたひとりだから(笑)。


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そんな映画鑑賞と微妙にリンクして(?)、今日の午前中は汐留へ。訪れたのは【旧新橋停車場 鉄道歴史展示室】という施設。ここは、日本の鉄道発祥の地である新橋駅のあった場所。要するにニッポンの『電車でGO!』発祥の地だ…当時は電車じゃなくて汽車だけど。汐留の再開発を機に、写真などをもとに当時の駅舎の外観を再現し、その中を鉄道関係資料の展示室として利用している建物だ。


▲再現された新橋停車場。
外観こそ再現されているものの、じつは中身の半分(orそれ以上)はビアホールでした!(笑)……でもまあ地下に降りれば当時の遺構の一部が覗けるので、日本の近代景気(?)の出発点を探る意味で一見の価値はある。

駅舎ができた頃は、まさにその建物がもっとも目立つランドマークだったのだろうけど、現在その地は、いくつかの商業ビル、日テレに電通の本社、松下電工のビルなど平成サイズの建物がニョキニョキ建っているため、明治サイズの再現駅舎は、めちゃくちゃションボリ感に満ちている……小さすぎて逆に目立つほどだ。


再開発で高層ビル林立のこの地は、バブル期には「汐留跡地」という名で通っていた。
鉄道発祥の地だった新橋駅だけれど、やがて日本の駅の出発点は東京駅に代わり、当初の新橋駅は貨物専用の汐留駅に格下げされ…さらに1986年には貨物駅すらも廃止され、だだっ広い空き地となった。で、その空き地に好景気のカネを注ぎ込んでつくられた期間限定のイベント施設が、先日の日記&コメント<http://d.hatena.ne.jp/Tuduki/20070118>にあった「東京ルーフ」や「汐留ピット」というワケだ。


……てなことは、同じあの時代に東京界隈で過ごしてた方々には「釈迦に説法」言わずもがな、なのだけれど本来は。ところが『バブルへGO!!〜』のパンフを買ったら’90年の東京の観光地図が載っていて、汐留跡地には「サントリー・ジアス」が建っていました…これまた懐かしい!(←首都圏の特定の世代限定ネタでスイマセン) 砂漠みたいな地色のにグニャグニャっと筆文字で書いたラベルで、「ジアスは地球のことを考えています」とかなんとか訴えるエコロジー先取りのビールだったんだよなぁ……もちろん映画にも“出演”してました。