嗤いとばそうにも……

レタスじゃ眠れん!まだまだ「あるある」捏造(スポーツ報知の記事。Yahoo!ニュースより)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070129-00000124-sph-ent

捏(ねつ)造は、まだまだ「あるある」−。納豆ダイエットの実験データなどの捏造が発覚した関西テレビ放送発掘!あるある大事典2」の前身の番組でも、9年前にレタスの催眠作用の効果を取り上げた際に、同様の実験内容の捏造があったことが28日、明らかになった。また、関西テレビは同日早朝の番組で、千草宗一郎社長が、納豆ダイエットの件について、視聴者へあらためて謝罪。問題の経過報告を行った。

 打ち切りという悲惨な末路をたどった長寿番組で、またもずさんな制作現場の実態が発覚。番組自体の信用性は完全に地に落ちた。

 問題となったのは「あるある〜2」の前身で、「〜2」と同じ関テレと日本テレワークが共同制作した「発掘!あるある大事典」。1998年10月25日放送のレタスの催眠作用を探った番組内容で、千葉科学大の長村洋一教授(健康食品学)が、番組制作担当者から「レタスを食べるとよく眠れるという実験をしてほしい」と依頼された。

 長村教授によると実験では、マウス約20匹を使用。2つのグループに分け、一方にレタスのジュースを、もう一方に同量の水を与えて変化を観察した。その結果、両グループに違いは、ほとんど出ず、番組スタッフも「残念でした。眠りませんでしたね」とあきらめて帰った。
 ところがだ。実際の放送では、一時的にかごの隅でおとなしくしているマウスの姿を流し、テロップで「眠ってしまった!」と説明。さらに内容を“補足”するため、実験にかかわっていなかった実践女子大の田島真教授(食品学)のコメントを付け、あたかも催眠効果があったように編集、放送していたという。

 確かにレタスの成分には微量ではあるが、催眠成分は含まれている。田島教授は「放送前に眠りを誘う物質はどういうものがあるかと取材があり、一般論としてレタスの特定の成分には催眠効果があると答えただけ。コメントの都合のいい部分だけ使われた」と憤りを隠せないでいる。

 納豆ダイエット問題では、系列各局に1万超の抗議が殺到。内外の批判を浴びているが、捏造などいい加減な番組づくりが恒常化していた可能性がある。今回の事例が真実ならば、同社は一層苦しい立場に立たされそうだ。

納豆ダイエット」ねつ造発覚の関西テレビ社長の記者会見だって、神妙な表情で謝りつつも“あんなモンを本気にする視聴者がこれほどいるなんて我々のほうが驚きました”みたいなニオイを醸してたもんなぁ……「レタスで快眠」「味噌汁ダイエット」以外にも、たぶんこれまでの「あるある」ネタのほとんどがねつ造だったにちがいない。


ところで、
そのテのニセ科学・オカルト健康法の“本家”とも言えるのが、私の大好きな(笑)雑誌、【壮快】(マキノ出版)だ。先日もちょっと書いたけど、“本家”では、こんなことやってます。
●演歌を大声で歌ったら…血圧・血糖値が正常化して便秘も解消!(’07 3月号)
●かかとテープを貼ったら…腰痛や血糖値が治り、性も爆発!(’07 3月号)
●みそ汁を飲んだら…ハゲ・薄毛の8割が改善(トウガラシ味噌汁)し、胸も大きくなった(とろろ昆布味噌汁)!(’07 2月号)
●ハンカチふりふりで…ドカ便スルリ!(’07 2月号)
●シュークリームを食べて…体脂肪激減!(’06 4月号)
●小梅の種の丸飲みで…イボ痔が治った!(’05 12月号)
モーツァルトを聴いたら…抜け毛が止まった!(’05 8月号)

……モーツァルト聴いて抜け毛が止まるんなら、ハゲの音楽家なんていないハズだろが(笑)。
梅干しの種だって、肛門から出てきたらイボ痔の方には地獄じゃないのか?(笑)


雑誌【壮快】の場合、基本的な記事構成は「私はこれで健康を取り戻してオドロキました!」という、いわゆる「体験推奨」の形式。一応専門家の科学的解説記事もついてるけれど、基本的には“個人それぞれの体験”なので、その体験者自身の発言や存在がねつ造でない限り、誰にでも効果があるとも言ってないうえにその個人にとっては効果があったワケだから、ギリギリで「ウソ」にはならないことになっている…法律上は。で、出版界の場合は、確信犯で「ウソ」狙いのところ以外は、社の規模を問わず全体的に、このへんの表現についてはふだんから気を遣ってるモンだ。


それに対して「あるある〜」の場合は、科学的な検証の結果、万人に効果があるように装っているうえにそれがねつ造だってんだから、相当に始末が悪い。今日売りの【週刊朝日】を見たら、ポリアミン(番組ではダイエット効果を謳っていたが実際にはガン促進の影響も懸念される物質)の実験写真を、番組内で意図的にまったく逆に扱っていたことが指摘されていた。

昨年放送の「納豆で若返り」の回で、大きくキレイに咲いた花の写真と小さな花の写真を並べて、「ポリアミンを投与したためにこんなに大きく咲きました!」と番組では説明したらしいのだけれど、ほんとうは大きな花のほうは“なにも手を加えてない”通常の花で、小さな花のほうは“ポリアミンの過剰投与”で弱ってしまった花だったんだとか。ポリアミンの効果をねつ造するために、実験結果をまったくねじ曲げるとは……大袈裟な“誇張”ではなくまるっきりの“ねつ造”だったことだけでなく、健康番組を装って健康被害を促進させてしまうことに罪悪感を感じないとは、どうしようもねぇクズだなコイツら。


「視聴者のほうも冷静に判断する習慣を…」なんて、メディアリテラシー感覚に乏しい視聴者にも責任があるかのようにしたり顔で語るTVコメンテーターもいたけれど、これはそれ以前の問題だろが。TV制作側の道徳観の欠如を他にすり替えるなよバカ。