『気まコン』再び&プラネタリウム再び

Tuduki2007-01-18

【週刊ビッグコミックスピリッツ】誌上で、26年超という長寿連載中の『気まぐれコンセプト』。(しかも1週たりとも休載なしらしい) その単行本が今週末に発売される。


初期に1度だけ単行本化されて以来、ようやく(なんと23年ぶり!)の単行本化。出版にあたりネタを“厳選”したらしいのだけれど、それでも総ページ数は1000ページ近い。分厚くて重いマンガ本……その名も『気まぐれコンセプト クロニクル』! 

小学館刊 定価:2310円(税込)


昨日フライング入手(ワケあり秘密)して、さっそく読み始めたのだけれど……まさに「クロニクル(年代記)」の名にふさわしいなぁコレはッ! 今年は久々の新作映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』が公開されるホイチョイだけれど、この『気まコン クロニクル』自体が、‘80年代〜’90年代を生きてきた世代にとっては、まさにタイムマシンのようだ。いまでも懐かし笑い噺に必ず名が出る「MZA有明」、汐留跡地に期間限定でできたクソつまんない“大人の遊園地”こと「TOKYO ROOF」、渋谷のラブホ街につくられた“ハイパーな遊技場”こと「ドクター・ジーカンズ」などなど私にとっては甘酸っぱい…以上にほろ苦い思い出だらけな、当時の若者にとってのデート・スポットが次々に出てきたり、「横浜ベイブリッジ開通直後の違法駐車渋滞」や「赤プリで過ごすヤンエグカップルのクリスマス」、「トゥーリアのシャンデリア落下」などといった当時の“事件”をネタにしたマンガも満載で、「そうそう…あったあった…なっつかしいなぁ……」と深夜にひとり喜びまくる、昨夜の私であった。……「空間プロデューサー・山本コテツ」「椎名桜子、職業:作家」なんて文字を10年以上ぶりに目にしたよ私は(笑)。


長谷川町子サザエさん』が、いち漫画として以上に昭和の生活文化を探る資料として重んじられているのと同じように、『気まぐれコンセプト・クロニクル』は、あの時代を考察する資料として非常に価値があるんじゃなかろうか…と、めずらしく徹頭徹尾 絶賛してしまう、ホイチョイ大ファンの私なのであった。正直、4コマ漫画としての笑わせどころのクオリティ云々なんて、もはやどうでもいいもの『気まコン』は。これは文脈で笑わせる4コマ漫画ではなく、題材で楽しませる4コマ漫画なのだから。


こうなってくると、『バブルへGO!! 〜』(2/10公開)がいよいよもって楽しみだなぁ……。バブル景気のあの時代、今ふり返ればホントに狂った時代だよな…とは私も思う。でも私はあの時代をケッコウ肯定的に懐かしがれる。私はあの時代が好きなのだ。たしかにバカげた時代だけれど、あの時代があったから生活文化の質がボトムアップされた…という面もかなりあるのではないか。それに、寝る間を惜しんで昼に夜に遊んだり働いたりしながら、あの頃のボク達は「未来はもっと明るく楽しくなるに違いない!」と信じていた……わざわざ御指摘いただくまでもなく、実際にはそれはトンだ間違いだったワケだけれど(笑)。でも、未来を信じられた時代を経験できたってことは、ものすごく幸福なことだ。親の世代が『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界観に郷愁を抱くように、私たちの世代は『バブルへGO!! 〜』の世界を懐かしむんじゃないかなぁ、きっと。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……なんてことを考えていたら、
平成の新バブル文化の到来を予感させる、日本橋再生計画の一環として開催中の、あのプラネタリウムのことを思い出した(あのプラネタリウムのあの日記はhttp://d.hatena.ne.jp/Tuduki/20061218)。思い出したので再訪してみた。

バブル期の期間限定イベントをホーフツさせる【日本橋 HD DVD プラネタリウム】。前回鑑賞した『北斎の宇宙』はそりゃ酷いものだったけれど、今日見た『星空の贈りもの』はなかなかヨカッタ。ちょっと演出過剰な盛り上げぶりが鼻についたり、逆に“本業”である星空の演出が単調に思えたりしたけれど、それでもやっぱり星空の描き方は美麗だし、こんなワザもできるのかァ!…なんて驚けたし、アトラクションとしてたっぷり楽しめた。しかも『北斎の宇宙』が1500円なのに、『星空の贈りもの』は800円!……観るなら絶対にこっちだ。浮いた700円で、うさぎやのどら焼きでも買いましょう(笑)。