パパ、会社に行かないで

毎朝のように三男が訊いてくる。
「パパ、(きょうは)かいしゃにいくの?」


私が家を出るのは長男(小学校)や次男(幼稚園)のあと。
私も出勤すれば、いよいよ自分だけが残された気がして寂しいのであろう。


「ああ、このコーヒー飲んだら出かけるよ」
「やだよ! パパ、かいしゃ いかないで!」


う〜む、カワイイ!…と親バカな私。
実際、息子が可愛くてホントに休んでしまうときもままあるので、
三男としても、期待しているところはあるのかも知れぬ。

「ダ〜メ。パパは会社に行かなきゃいけないんだよ」と言ったら、
「なんで〜?」と質問してきた三男。
「だってそれは……おカネが欲しいから」と答えた私。


すると三男のヤツ、急に明るい表情になって
「じゃあ、ママに いえば いいじゃん!」
……ときたモンだ(笑)。


おいおい、ママに言えばカネの問題さえも解決だってのかよ?
……まぁ、たしかに家の中ではそのとおりではあるけれど(笑)。


飼い犬だって家族の序列をハッキリ認識するそうだ。
3歳の息子も我が家のヒエラルキーをハッキリ認識しているに相違ない。
いちばん偉いのはいったい誰かということを……。


このあと、
「じゃあパパが休んでいいかどうかママに訊いてごらん」
…と三男に訊きに行かせたら、当然、子どもを諭すと思ったのに
「休んじゃえば? 天気もいいし……コート掛けでも買いにいこうよ」
…ときたモンだ。ノー天気なホンワカ家族だよまったく(笑)。

嗚呼、妻よ。コート掛けを買うカネを捻出するためにも
私は息子との別れを惜しんで東京に行かねばならんのだよ……