質より量

「はぁ……やっぱり7日間で5か国周遊は無理ですか……」
もう20年近く前の話ではあるが、
バイト先の学習塾の先生の、新婚旅行の打合せの電話の内容が聞こえてきたのがコレ。無理かどうかということよりも、たしかに現在ほどには海外旅行が手軽じゃない時代だったとはいえ、毎日1か国ずつ訪れる旅行って、そもそもどうなのよ？　ヘタすりゃホテルと空港しか見られないんじゃないのか？（笑）　奥さんになる女性（←彼女も同僚）は我儘で見栄っ張りなことで有名だったから、「この国もあの国も行ったことあるのよ！」と我々に自慢したかったんだろうねぇ……なんて、仲間内でウワサしてたもんだ。スタンプラリーでもあるまいし、数の大きさを自慢するのは見苦しい。

「2000万円もするクルマなのよ！」
妻がクルマをぶつけたときに、先方のババア（←妻談：推定70歳）に言われたセリフ。駐車場の出口を半分ふさいで路上駐車してたババアのベンツに気づかずバックで退場しようとしてぶつけたそうだ。たとえ路上駐車で出口をふさいでいようとも、止まってるクルマにぶつけたんだから100％妻の過失。…なのは当然としても、フェラーリじゃあるまいし2000万のベンツなんかねぇよ。AMG仕様の5とか6だったらたしかに2000万近くするけど、それはスポーツカーだもん……老婦人が買い物に使うベンツじゃないし。ウチのは国産車だからベンツの値段も知らない貧乏人だと思ってフッかけやがって……数字を目盛りに自分を大きく見せようとするのはホントにみっともない。（ところで自称2000万のベンツの修理費なんですが……保険会社によると、たったの13万でした：笑）

「○○先輩カッコエエなぁ！　身長2ｍもあって女にモテモテや」
【週刊ヤングジャンプ】で連載していた『押忍!! 空手部』にあったのはそんな感じのセリフ。たしかに背の高い男のほうがモテるかもしれんが……デカけりゃデカい分だけモテるワケじゃあるまいし、2mはいくらなんでもデカすぎだろ（笑）。「10kmはなれたところで針が落ちる音も聞こえる、ウルトラマンAのウルトラ耳」みたいな解説が、大昔の【小学○年生】×月号の特集記事にあったけれど、数字の大きさだけで素直に驚いて尊敬のまなざしになれるのは、それこそ小学生までなんじゃないのか？（笑）

……さて、じゃあコレは？
写真週刊誌【FLASH】の記事、
『独占！　中田英寿「世界放浪」プライベート写真　全３０都市地球２周半…』
ニューヨーク、イスタンブール、ベオグラード、タヒチ、上海などなど、30都市も訪れたそうだけど……引退からまだたったの5か月だぜ？　カッコイイかよそんなのが？　「自分探しの旅」とか言ってたけれど、これじゃ単に「自分探しの移動」じゃん。こないだも客寄せパンダの役で政治家に利用されてるし……時間もカネもあるんだから、もっとしっかり“自分”を探してこいよな。

【FLASH】の記事を読んだけど、「生まれて初めての食中毒をバリで体験〜」とかなんだかとっても幼いし。
当初から心配していたけれど……予想よりもずっと早く、しょっぱいニオイを醸してきました（脱力系の“笑”）。