連休明けの沖縄熱 および連休中の旅行について

Tuduki2006-11-06

今日の昼飯は沖縄すば+小ラフティ丼のセットにオリオンビール

3連休明けの初日だというのに昼ビールしてしまったのは、どういうワケだか偶然にも、ミクシィの私のマイミクさんがふたりも、このおんなじ時期に八重山諸島方面に行っていて、連休明けの朝っぱらから、その楽しそうな日記を連続で読んでしまったからだ。はぁぁ…私も行きたいよ沖縄へ。


じつをいうと私も、この忙しかった仕事を抜けきったら沖縄へ行くつもりだったのだ。
私が今回行くつもりだったのは沖縄本島北部のやんばる(山原)方面。那覇市街からはクルマで2〜3時間かかるから、旅先でまた別の旅に出かけるようなモンであり、乗り継ぎさえよければ離島のほうが早く着くくらいの場所だ。そこには真っ青な海のかわりに、真っグリーンな森が広がっている。そんな僻地になにがあるのか?…と訊かれたら、なんにもないみたいなんですけどね…としか答えようがない土地だ。逆にいえば“なんにもない”からこそ、ヤンバルクイナやらヤンバルテナガコガネなんて新種の生き物が20世紀の末になって今ごろ発見された…とも言える。そう、やんばる地方とは(住んでいる方にはふつうの場所かも知れんが)我々にとっては未開の地そのものなのだ!

で、私自身、観光リゾートとしての沖縄とはちょっと視点を変えた沖縄めぐりを、とくに仕事に役立てるワケでもなく単なる趣味というかライフワークとして実践しようと狙っているところがあり、これまでも世界遺産になる前からグスクめぐりだとか沖縄民話の発祥地めぐりだとかリゾート客ならまず行かない地元の御獄(うたき)や拝所(うがんじょ)を探し訪ねたりとかをしていた。でも、そういう地味で趣味性の強いところめぐりなんて、妻子連れではなかなかやりにくい。実際6月に家族で出かけたときも、ホテルのビーチと水族館で子どもたちの相手をするだけで終わってしまったし。それで、ちょうど2年ぶりにまたひとりで沖縄へ出かけてみよう!…と、そんな夢だけを心の支えにして、カイシャに泊まり込みながら仕事していたのだ。

で、やっと忙しかったシゴトもすっかり終わったものだから、その件を“愛妻”に切り出してみた…おそるおそるに(笑)。「今月の終わりくらいにさ、ちょっと沖縄にでもひとりでふらりと行ってこようと思うんだけど…いいかな?」

愛する妻の返事は「なんで?」

「なんで…って、あ…いやホラ、ちょっとこのところ仕事が大変だったんでそのリフレッシュというか、自分へのご褒美というか……マイルも貯まってるし安い宿に泊まるからお金もそんなにかからないと思うんだよね……」と私がしどろもどろに説明すると、
「アンタさぁ、この数か月間ずっと大変だったのは、まさか自分ひとりだけだと思ってるんじゃあ ないでしょうね?」


……私の負け(笑)。たしかに妻の言うとおり、平日はもちろん週末に帰宅してもグッタリしていた私の分まで、3人の息子たちの世話をたったひとりで務めあげたのは、まぎれもなく妻だ。それから、そんな状況をずっとガマンしてくれた息子たちにだって気の毒なことをした。


「来年またみんなで行けばいいじゃん」
「で…でも、子どもらは森の中をドライブしてもたぶん面白くないと思うんだよね…」
「じゃあ違うところに行けばいいじゃん、石垣とか宮古とか慶良間とか……そうだ、そうしようよ」
「で…でも、それじゃオレが行きたい場所とか行く目的とは全然ちがう旅なんじゃ…」

かくして私の交渉は徹頭徹尾、失敗に終わったのであった……。そんな連休中の交渉失敗に重ねて、マイミクさんがふたりも石垣島方面の日記を書いているんじゃぁ……月曜の昼っからビール呑みたくもなるキモチ、ワカルでしょッ!?(笑)


さて、
そんな我が家の3連休はどうだったかというと、久しぶりの小旅行をしてきた。遊園地に温泉1泊プラスアルファ……じつは私こと都筑ジョン右衛門41歳の本当の名前のほうの苗字は意外に珍しい。特に珍しい漢字でも読みが風変わりなワケでもないが、なかなか目にしない苗字なのである。ところが先日、忙しかった仕事明けの記念に温泉にでも行くか…と身近な紅葉スポットを探していたところ、偶然その珍しい苗字とおんなじ名前の町が存在するのを発見したのだ。それで、その自分の苗字と同じ名前のついた「○○町」と「○○川」を面白半分に訪ねて、その「○○町」と書かれた役場かなんかの前で記念写真を撮ってみようとしたワケである。……なお、わが一族のご先祖さまは宮城県の奥のほうの田舎の殿様で、その珍しい苗字は伊達政宗本人だかその直近だかから戦の功績を称えて賜ったものだそうだから、私の苗字とおんなじ名前の町ではあるが、実際には私の一族とはなんの縁もゆかりもない。

というワケで行ってみたのだが。
その町は、某観光スポットへ行く山道から1本はずれた細い林道の奥にあった。ギュインと大きくハンドルを切って林道へ踏み込むと、細い道の両側にふたりの老人が座って、道ばたに野菜を広げている……露店? でも客が通る気配もないぞ。「駐車場はこっちじゃねぇだよ…この先にゃぁ観光地はねぇだよ」と右側に立ってたお爺さんが言い、左側のお爺さんは引き返せとゼスチャー。「すみません、○○町へ行くにはこの道の先へ進めばいいんですか?」と尋ねたら、ウンウンと頷いて道をあけてくれた。……出だしからいきなりミステリアスな雰囲気たっぷりだ。

クルマをどんどん進めていく。林道自体は立派に舗装されたよい道なのだけれど、くねくねしていてガードレールもなく、乗用車1台が走れる幅しかない。もちろん道の片方はガケを切り取った岩肌、もう片方は谷底だ。不安になった子どもたちは「もう帰ろうよぉ〜」の大合唱。そう言われても対向車とすれ違う幅もないんだからUターンできる場所もない。万が一にも対向車が来たらどうすんだオレ?…と思いながら、とりあえずズンズン進んでみる。妻が子ども達に「もう2度と来るハズもない道なんだからガマンしなさい」と諭している……。

……ようやく視界が開けて、集落に辿り着いた。林道はその先まで元々はあったようだけれど、橋が壊れて行き止まりになっていた。まるで絵に描いたような…映画や小説にでも出てきそうな、完璧などんづまりの集落。
「○○町字△△町内会」と書かれた古ぼけた掲示板があった。そこに記されていたのは、たったいま通ってきた林道のどの辺りが、落石しやすいかまた崩落しやすいかと注意を促す危険箇所のマップ。うへぇ〜〜、そんな危ない道を通っていたのかオレは…小春日和の穏やかな日中なのに鳥肌が立つ。その集落も、ヒトの気配が感じられない。お日さまがさんさんと射した、暖かなゴーストタウン。……私はもうちょっと探検したかったのだけれど、子ども達の「もう帰ろうよぉ〜」の合唱がいっそう大きくしかも哀切を醸してきたので、引き上げることにした。帰り際、先ほどのお爺さんたちに車中から目礼。


なかなか興味深い小旅行だった。だったけれど、そういう点を踏まえればますます一層「子ども達を連れてやんばるに行くのは無理だな…」と思わざるを得ない……sigh.