志とか心意気とか

Tuduki2006-07-27

毎日新聞ニュースよりhttp://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060726k0000e040023000c.html

ハリー・ポッター:翻訳者の松岡さん、35億円の申告漏れ

 世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの翻訳者、松岡佑子さん(62)が東京国税局の税務調査を受け、翻訳収入をめぐって04年までの3年間で約35億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。松岡さんはスイスに住居を移して現地で納税しているが、国税局は生活の本拠は日本にあると認定したとみられ、追徴課税額は7億円を超えるという。松岡さんは処分を不服として異議を申し立て、日本とスイス両国間による相互協議を求めているという。
 関係者によると、松岡さんは同時通訳者として活動していたが、97年に夫の松岡幸雄さんが亡くなり、出版社「静山社」(東京都千代田区)を引き継いだ。同社は99年にハリー・ポッターシリーズの日本語訳の第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」の翻訳出版権を獲得して以来、同シリーズの日本語訳の出版を続けており、松岡さんは同社から翻訳料として多額の報酬を得ていたという。
 松岡さんは01年からスイスに住民票を移し、現地で納税していたが、国税局は居住実態が日本国内にある「居住者」にあたると指摘したとみられる。居住者とされた場合は、住民税などを含めた税率は高額所得者で約50%になるが、スイスで申告を行えば、諸税を含んでも節税効果が生まれていたとみられる。【高島博之】


……なんだかものすごくガックリな「事件」。節税うんぬんよりも、その性根が情けない。
別に“国際派”の松岡氏がどこに住もうがどうでもいいけどさ。彼女が儲けたカネって、ハリー・ポッターが大好きな日本中の子ども達が支払ったカネじゃないか。儲けるのは構わないけど、だったらせめて、その「日本中の子ども達」の未来に役立つように還元してくれよ…と私は考える。子どもの本とか教育とか事業に携わる人々ならば、そう考えるほうが自然でごくごく当たり前のことだと私には思えるのだが。

節税が悪いことだとは全然思わないけれど、この件についてはどうにも納得がいかない。日本に税金を払ってくれれば、それが公共事業などに使われて、いまの子どもたちが大きくなってからも役立つようなものになってくれるじゃないか。それなのに、なんで「日本中の子ども達」から集めた儲けを、「日本中の子ども達」に縁もゆかりもないスイスに払っちゃうの? なんでそういう単にソロバンはじいただけの損得勘定で行動できるの? 「日本中の子ども達」の未来には関心ないの? まさか「日本中の子ども達」に関心あるのは財布の中身だけなの……?


もちろん日本に税金を払ったからって、それが100%「日本中の子ども達」の未来のために使われるワケじゃないけれどさ……悪い連中にかすめとられる分だってあるし。だけど、どれだけ効率が悪くたって「日本中の子ども達」に役立つ額は決してゼロではない。


スイスに税金を払ったんじゃあ、「日本中の子ども達」に役立つ額は100%ゼロなのに……