買い物はムズカシイ

Tuduki2006-07-06

知り合いの女のコとメシに行くことになって、たまたま彼女の誕生日が近かったから、まもなく夏本番だしTシャツでもプレゼントしようと考えた。


で、某ショップを訪ねて「このデザインで身長160cmくらいの女性に合うサイズのをください」と店員(←ところで最近はなんて呼ぶんですか?)に頼んだところ、「ウエストは何cmですか?」と質問された。

う…ウエスト? ウエストが何cmか具体的に明示せよ…と?
……ボトムスを買うんなら納得する、ワンピースでもまァ理解はできる。でもTシャツだよ、どうしてTシャツをプレゼントするのにウエストのサイズまで知ってなきゃならんのだ??

「いや、その…べつにウエストのサイズを教えてくれるほど親密な関係じゃない女のコなモンで……はは。フツーかちょっと痩せてるくらいの標準的なスタイルだと思います」……乾いた笑い混じりに、そう返事をした。するとその店員は、とあるサイズ1枚を選びとり「アタシがちょうど162cmなんですけど…」と言いながら、自分の体にあててみせてくれた。ふむふむ、これはわかりやすい。

「ああ、イイ感じですね。じゃそれをくださ…」と言いかけたら、そこで言葉を遮られた。
「それでね、私のウエストは58cmなんですよ……私と比べてみてどうですかね?」…とまた質問してくるではないか!

いったい何故そこまでウエストサイズにこだわるのだ?? 最近のTシャツは“腰で着る”モンだとでも言うのか????
だいたい比べてみたってわかんないよ……。

おっと…でもいま冷静になって振り返ってみると、ホントはこう返事するべきだったかもしれない。
「う〜ん、目で見るだけじゃちょっとわかりづらいなぁ……そうだ、試しにおネェさんをギュッとハグして彼女と比べてみてもいいですか!?」

……くそ。若い店員のハグ1回分、損した(笑)。
(注記:メシ喰いにいった女性はもちろん、ギュッとハグするほど親密な関係であるはずもない:笑)


まったくもって女性服のブランドショップでオトコが買い物するのは難しい。

以前はこんなこともあった。とある女性服のショップで、店員さんをつかまえ「コレがほしいんだけど」と言ったら、笑顔でこう質問されたのだ……「贈り物ですか?」と。

はぁあ? 贈り物に決まってるではないか! じゃなにか、私が自分で着るために女モノの服を買おうとしているとでも思ったのか!? ……まぁ店員としては「ご自宅用ですか? それともラッピングしますか?」と尋ねたつもりなんだろうな…と常識的に判断してツッコミもいれなかったけれど、自分がその服を着ている姿を想像してちょっと楽しくなった。ともあれ、男性がブランド店で女性服を買うってことは、たとえ“ご自宅用”だとしても、それは奥さん(或いは母親や娘)へのプレゼントなワケだから、どんな状況でもラッピングはマル必に決まってる。


……とはいえ、次のようなケースも実際にはあるか。

これは“GF大募集中!”だった学生時代の私に知人が紹介してくれた、【PINK HOUSE】のハウスマヌカン(←当時はこう呼んでましたよね)の体験談。

とある午後、営業の途中とおぼしきスーツ姿のサラリーマンが訪れ、あれこれと物色していたそうだ。彼女が「なにかお探しですか?」と尋ねると、「高校生の姪へのプレゼントに洋服でも…と思ったんですが……」との返事。「どういう感じがお好みですか?」と彼女が訊いたら、「う〜〜ん、よくわからないなぁ……。あ、そうだ。明日の放課後、こちらの店に立ち寄るようにと姪に伝えますから、彼女にお似合いのカワイイ服を選んでやってもらえますか?」とサラリーマンにお願いされたんだとか。

そして翌日の夕方。彼女が店で待っていると、私立○○女子高等学校のセーラー服を着た、例のサラリーマン本人が現れて、カン高い声音で「親戚のおじさんにィ、このお店でカワイイお洋服を選んでもらいなさいと言われたから来たんですけどォ…」と、すっかり女子高生になりきって話しかけてきたのでマヌカンびっくり仰天!…だったとか。


むむむ。でもそう考えると、笑顔で「贈り物ですか?」と尋ねてきた店員さんは、ジェンダーフリーな教育を受けたからそう尋ねたという可能性もないではないか。ただの笑い話として初デートの私に披露した20年前のハウスマヌカンよりも、お客さん各々に対してフェアな態度である感じがだんだんしてきたなぁ……私自身、笑わそうと思ってこのネタを書きはじめたのに、当時みたいに無邪気には笑えない気分だ。


なんだか予想外の方向に考えが飛び散ってしまったけれど……当初のウエスト58cmの店員さん、自慢げに披露するだけあって、本物の58cmはたしかにとっても細かった。もしかしたら、「これぐらい気合いいれてキュッと絞ったウエストをお持ちでない方には、本当は売りたくないんですよねぇ…」という意思表示だった可能性もないではない……ないか…ないな。