すべての道はローマに続く?

Tuduki2006-06-19

「対クロアチア戦鑑賞の肴にクロアチア料理を!」と公言したとおり、つくってみました。

……といっても、子どもらに食わせなきゃならないので、夕飯として作成。22時からのTV観戦時の酒と肴はワイン+野菜スティックだった。


■チェヴァプチッチ(クロアチア風ソーセージ)■


■タコのサラダ■


芽キャベツとベーコンのリゾット…ではありませんね■


先日紹介したレシピは旭化成のサイトで、自社商品のPRをするためのものだから、大掴みに内容を読んだあとは適当にアレンジした。たとえばクロアチア風ソーセージは、フライパンに油とり用の旭化成商品を敷いて焼くように指示されていたけれど、油脂を落とすならどう考えてもグリルかオーブンだろう…との判断のもと、両面グリルの弱火でじわじわ焼いたら、ギリシャで食べたスブラキを思い出す味だった。また、リゾットは芽キャベツが売ってなかったので、煮ると意外と食感が似るブロッコリーの芯を薄切りにしてぶちこんだり、ベーコンだけでは味覚的に物足りないので、どこかのイタリアンで食べたのを真似てシーフードを足してみた。……とまあ、こんな具合だったのだけれど、どうせ企業PR用レシピだし「なんちゃってクロアチア料理」だろうさという予想に反して、意外に本物っぽい味になったので満足した次第。



ところで、
これまた先日紹介したクロアチア料理レストラン【Dobro】についてなのだけれど。某ポータルサイトが主宰する、一般のお客さんが自分の訪れた店の感想や批評を投稿するグルメサイトに、この【Dobro】の感想が載っていた。その投稿者はランチで訪れたらしいのだが、メニューがパスタ中心であることにひどくご不満のご様子だった。「パスタはイタリア料理! クロアチア料理じゃないだろ! いいかげんな各国料理を出しやがって…」と。


え〜〜と。
気持ちは判らなくもないけれど、この投稿者はクロアチアがいったいどこにあると思っているんでしょうかねェ? 地図を見れば一目瞭然だけれど、クロアチアとイタリアは、アドリア海(地中海)をはさんで向き合う隣り同士の国だ。海岸線の距離は170~180kmしか離れていない。東京からの距離にたとえれば、福島県いわき市や長野県長野市あたりとおんなじくらいしか離れていない。私はクロアチアには行ったことはないけれど、そんなわけでおそらく99%、クロアチアでもスパゲッティは普通に食べられているハズなのだ。【Dobro】のパスタメニュー、別にインチキなんかじゃないんだろうな…と私は推理する。

私はエスニック料理屋を訪ねるのが好きで、これまでにいろいろと行ってみたけれど、アルゼンチン料理屋にもパスタのメニューはあったし、ルーマニア料理屋にさえもあった。それからパスタの有無にこだわらなければ、調理法自体がイタリアンぽい各国料理はとても多い。


その理由は、世界史の授業を思い出せばすぐに理解できる。イタリア人(というよりローマ人)が、自分たちの生活文化とともに世界へ飛び出したからだ。ある時代は覇権のために、またある時代には新天地を求めて移民として……。だいたいルーマニアの国名なんて「ローマ人の土地」という意味なんだし、そりゃイタリア風の料理が多いのも当然ってモンだ。

なので、「地中海料理」を名乗るレストランってそれだけでなんとなく胡散臭く思えてしまうけれど、「ローマ帝国の勢力範囲のレストラン」だと解釈すれば、それほど間違った感じはしなくなる。その時代とはちょっとずれるけれど、世界三大料理のフレンチだって元々はイタリア料理のアレンジなんだし。


……そんなわけで、
ワールドカップを横目で見ながら…出場国の場所を地図で確かめ…どんな料理と酒があるのかをネットで調べ…見知らぬ遠くの地に思いを馳せつつ晩酌する私なのだ。
筋金いりのサッカーファンはもちろん各国のこと全般を調べたりするんだろうけれど、にわかファンの人々は、私みたいに、これをきっかけに各国の位置や歴史をつまみ食いすればオモシロイのにな…と思う。……もっとも、その代わりに選手の名前をひとつも覚えられぬ自分がそんなこと言っても仕方ないか。