わらべ唄をめぐる冒険

Tuduki2006-06-16

♪お寺の和尚さんが
かぼちゃの種をまきました
芽が出て ふくらんで
花が咲いて じゃんけんぽん!


……有名な子どもの手遊び歌だけど、幼稚園に通う次男のを聴いてたら、なんと“進化”していてビックリ!


♪お寺の和尚さんが
かぼちゃの種をまきました
芽が出て ふくらんで
花が咲いて 枯れちゃって
忍法つかって 空とんで
東京タワーに ぶつかって

(この部分忘れた) 落っこって
グルッと回って じゃんけんぽん!


かぼちゃ関係ないじゃん!  ……しかも枯れるのかよ!!(笑)


ところが、
気になってネット検索してみたら、さらに別バージョンに“進化”している例があるわあるわ……


♪お寺の和尚さんが かぼちゃの種をまきました。
芽が出て、ふくらんで、花が咲いたら枯れちゃって、
呪文をとなえて空飛んで、
そのまた後から コックリさんが、コックリコックリ
そのまた後から ゆうれいさんが、ゆうれいゆうれい
そのまた後から どろぼうさんが、金出せ金出せ
そのまた後から おまわりさんが、ピストルパストル
じゃんけんぽん ♪


“コックリさん”まで登場かい! それに意味不明の“パストル”……ノリよく韻を踏むための語呂合わせだろうけど、言葉の紡ぎ方がラップだよね、ライムだね(笑)。


♪お寺のおしょさんが 幽霊の種を蒔きました
ヒュードロドロドロ
幽霊の後から コックリさんが コックリコックリ
コックリさんの後から お巡りさんが オッホンオッホン
お巡りさんの後から きれいな姉さん うっふんうっふん
きれいな姉さんの後から しわくちゃ婆さん ジャンケンポン!


……“幽霊の種”ってなんだ?(笑) それに“きれいなネェちゃん”&“しわくちゃ婆さん”!
進化と増殖を続ける『お寺の和尚さん』の今後がますます楽しみだ。とあるサイトによれば'96年ごろには既に「忍法つかって〜」バージョンは本に載っているそうだから、もしかしたら20代の人たちにはこっちがスタンダードなのかも知れないし、今ごろどこかの地方では「コンビニおにぎり 買ってきて」とか「バブルがはじけて 吹っ飛んで」とか「パソコンさんが アイティアイティ」てな具合に“東京タワー”以後の世相を歌ってないとも限らないよね。



ところで、検索している最中に別のわらべ唄の記事にも気になることが……。

♪あんたがたどこさ 〜肥後さ
肥後どこさ 〜熊本さ
熊本どこさ 〜船場
船場山にはタヌキがおってさ
それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉で ちょいと隠せ


これまた有名な手まり唄『あんたがたどこさ』だけれど。子どものころは意味なんて全然考えずに歌っていたが、学生時代に塾の先生をしていた際、脚韻(末尾に似た音をそろえる詩の技法)の例としてこの歌をとりあげようと考え、あらためて歌詞の意味を追いかけてって……疑問にぶち当たった。「最後の“それ”っていったいナニを指しているんだ?……タヌキ?猟師?鉄砲???」


……しばらく歌詞をにらんでいたが突然! するりと謎が解けた。
「煮て、焼いて、食ってから木の葉で隠すブツって……ああぁっ、もしかして“ウン●”!?」……まさに茂木健一郎のいう【アハ体験】! 脳内ニューロン大連鎖&脳内ドーパミン大放出(←脳のことよく知らぬまま書いてます)で超快感を体験したのであった。まさか“それ”イコール“ウン●”だったとはなぁ……たしかに野外でウン●をしたら、木の葉で隠すのがマナーってもんだ! 


……などと得意げな気持ちになってから約20年経つが。なんと、この歌詞も全国共通ではないようだと今回はじめて知った。変化する前の歌詞は「骨を菜の葉でちょいとかぶせ」だったのでは…と書いてあるサイトがあった。へ?…“それ”じゃなくて“ほね”? 食べた後に残った骨??……たしかに文意はよく通る。じゃあ肝心な熊本の船場地方ではなんと歌っていたのか検索してみたら…………「うまさがさっさ」…だった。はぁ?…じゃオリジナルは“それ”も“ほね”も関係ないの??


どうやら私の【アハ体験】は勝手な思いこみだったようである。当時、得意げにそう教えてしまった私のクラスの中学生諸君!……なんとも面目ない(笑)。

◆参照したサイト◆
http://www.tbs.co.jp/inpaku/warabe/aid12.html
http://www.tbs.co.jp/inpaku/warabe/kyt10.html
http://www.ne.jp/asahi/wings/bono/old/k010729.html
http://mimomama.cocolog-nifty.com/nikki/2004/09/post_16.html
http://www.geocities.jp/thecatfiddle/B200210antagata.html
http://www.kininaru-k.jp/bns/back_doc/09072001/hakken.html