『電車女』3部作

Tuduki2006-05-10

21:30過ぎの田園都市線下り。急行ならまだまだ相当に混む時間帯だけれど、各停だとかなり空いていて、運が良ければ座ることさえできることを最近知った。引っ越しによって最寄り駅が急行通過駅になってしまったタマモノだ…なんてポジティブに考えられるワケもなく、小一時間も各駅停車に揺られるのは相当にめんどくさい。


◆第1章◆
昨夜も、そんな各停が到着するのを待っていた。やがて定刻どおりにやってきた車両が徐々に減速しながらスルスルとホームへ……と、そこへトンデモナイ女性が現れた。30代半ばとおぼしきその女性、入ってきた電車のそばを歩いていたのだが突然! グワシッと電車のドア付近をつかみ、電車といっしょに走り出したのだ。なにごとかと思っているうちに電車は停車、ドアが開いた。するとその女性は、停車位置に立って待っていた他の客たちを押しのけて真っ先に乗り込み、まんまと空席を確保したのであった。……スゲェ。おそらく彼女は電車のそばを歩きながら、空席を探していたのだろう。そして目論見どおり空席を見つけたので、それを自らの手に入れるために電車をつかみ、電車が弱る(=止まる)まで走り続けたのである。水牛を狩るライオンを思わせる身のこなしそして執念に唖然とする私だった。


◆第2章◆
やがて電車は二子玉川駅に到着。多くの乗客の乗り降りがある駅だ。たまたま私の立っていた前の席の客が降りた。座ろうかなとも思ったが、私の横に立つのはかなり年輩にみえるスーツの男性。座るべきは私ではなく彼だろう…そう思って遠慮した私。でも彼は立ったままだ。こういう状況はケッコウ面倒だ。たとえ70近い年齢だろうと、都内まで通勤している人だ。もし「どうぞ」なんて言ったら、年寄り扱いして侮辱されたと思うだろう。でもやっぱり状況として、座るべき人物は絶対に彼だ。周囲に立っていたサラリーマン(男性)たちも私と同じ気持ちだったようで、みんな遠慮して立っていた……すると突然! いま乗り込んできた20代の女性が、遠くからものすごい速さで走ってきて、立っていた我々と年輩の彼を乱暴に押しのけて、デーン!と強烈なイキオイを保ったまま座り込んだのである。「ラッキーだったねぇ〜♪」と連れの40代女性に話して満足げ。…ってゆうか、いまコイツが座り込んだ反動で、隣の客の尻がトランポリンみたいに弾んで浮いてたぞ! これまた唖然とした私(&周囲の人々)であった。


◆第3章◆
宮前平駅で、その“デーン!女”の左隣の客が降りた。目の前に立っていた50代くらいの女性が座ろうと腰を下げた……と、またまた仰天の事態! “デーン!女”の連れの40代女性が、座ろうとしていた女性の尻を自分の尻ではじき飛ばして、自分が座りこんだのである。見事すぎる豪快な尻相撲……はじき飛ばされ勝負に負けた年輩女性のあっけにとられた表情。なんてこった……私もまたまた唖然とせざるを得ないではないか。


おんなじ電車たった1回で、3人もの女性の「自分さえ座れれば他人なんてお構いなし!」という強固な意志および実行力を、まざまざと見せつけられた私だ。しかもご丁寧にさまざまな年齢の女性のエゴがバリエーション豊かに揃っているとは!

私は基本的に(というよりも、いや全面的に)女性が大好きなオヤジなので、女性のこういう醜悪な姿は見たくないなぁ……。これならギチギチで身動きのとれない満員電車の急行に乗るほうが、醜い座席争いが起こりにくい分ずっとマシだよ。……本気でそう思った。