春の日は ひねもすのたり 寝たりだな

Tuduki2006-04-19

ひがな一日、机にかじりついて校正作業をやっていたら眠くてたまらなくなったので、気晴らしに神保町の書店街を散策してきた。


おもしろそうな新書を数冊&まだ読んでなかった『ダ・ヴィンチ・コード』を手にとったけれど、どうせいま買ってもすぐに読めるワケでもないし渋谷のブックファーストでカード使えばマイル倍づけじゃん…と考え直し、結局買わずに戻ってきた……本当に単なる散歩じゃないかこれでは。

神保町のあたりは路上歩行喫煙の禁止区域。なので、三省堂の入り口など限られた喫煙ポイントはもういつだって煙だらけ、喫煙者たちのたまり場だ。毎日おんなじ場所でプカプカやってるうちに友達になっちゃうスモーカーもいるんだろうなきっと。


「たまり場」と書くとなぜか必ず条件反射で連想してしまうのが「たま・りばー」→「Tama River」すなわち「多摩川」というおもしろくもなんともないダジャレ……困ったモンです。

でもずっと昔、実際に【たまりbar】という名前のスナックに行ったことがある。場所は二子玉川だったから、これまた「Tama River」のダジャレなんだろう。カイシャの先輩たちと二子玉川で呑んだとき、「六本木や歌舞伎町のキャバクラみたいな、若いオネェちゃんがいる店に行きたい」と先輩たちが言うので、「そんな店がニコタマにあるわきゃねぇだろ」と心のなかでつぶやきつつ、下っ端だった私は、スナックっぽい店のドアをいちいち開けては「こちらには若い女のコいますかねェ?」といちいち尋ねた挙げ句、ようやくみつけた店がその【たまりbar】だったのだ。……あの頃は私も先輩も、若かったというかバカだったというか。

【たまりbar】のおネェちゃんたちは現役の女子大生だった。若い! ピチピチだ!…というのは確かなのだけれど、六本木や歌舞伎町にいるコたちとは、なんだか雰囲気が微妙に…いや相当にちがう、あれれ? タレント予備軍だったりモデル事務所に所属してたりする六本木のコたちとルックス面で“ちがう”のはともかくとして、もっと根源的になにかが“ちがう”感じがしてならない。

変だなぁ、スタイルだっていいのに…と思いながら、若い彼女たちのボディをじっくり(だけどコソコソと)よく見ると、「痩せている」というよりは「引き締まっている」ことに気がついた。ミニスカートからスラッと伸びた脚なんて“カモシカのような〜”というよりもむしろ、“カモシカを襲う肉食獣”を連想させる筋肉でふくらはぎが隆起している。水割りをつくるのにボトルを持ち上げるたびに、二の腕には力こぶ。真っ白な歯が眩しいのは、日焼けした黒い肌だから? 「キミたちってさ、もしかしたら……」

……と尋ねてみたら、やっぱり思ったとおり日体大の学生でした。キャンバスの最寄り駅は青葉台桜新町だから、ニコタマでバイトするのはなるほどもっともな話。
そんなワケで、屈強な女戦士を思わせるおネェちゃんたちに囲まれて水割りを呑んだ我々であったのだけれど。アマゾネスたちとの酒宴、厳しい練習やストレッチの話題なんかでケッコウ盛り上がって思いのほか楽しかった。……といいながらも、ボトルが残っていたのに二度と行かなかったんだよなぁ。


……などという喫煙者とはまったく関係ない昔話を、不安定な脈絡のもとに思い出してしまうんだから、やっぱり今日の私は知らぬ間にウトウトしてしまっていたにちがいない。


※写真は会議中にうたた寝する上司(イメージ)。