タミフルについて思うこと

Tuduki2006-01-30

「やめてーッ、やめてよーッ!」という絶叫に慌てて駆けつけると、パジャマ姿の次男5歳が鬼の形相で仁王立ちしていた……。


幼稚園のクラスメイトの1/3がインフルエンザで欠席中というので心配していたのだが、いまさら手遅れだろうさ…という予想どおり、次男がインフルエンザを発症した。病院に行くと例のタミフルを処方され……指示どおりに飲ませてみたら冒頭のような有り様だ。


タミフル」といえばインフルエンザの特効薬として有名である一方、服用した幼児が死亡した事例が複数報告されている。また、服用した10代の少年が大型トラックに飛び込んだりマンションから飛び降りて死ぬ事例が報告されたりと、いろいろいわくつきの薬である。もちろん製造元(スイスの製薬会社ロシュ)では幻覚作用を否定しているし、幼児の死亡については用法に問題があったと主張しているけれど。
なんらかの副作用で不幸に遭われた方々のニュースを見ている分にはどれだけ同情しようが結局は他人事だったけれど、実際に自分の息子がタミフルを飲んだ数時間後に冒頭のような反応をすると……どうにも心配になるなぁ。「いったいどうしたの?」と次男に尋ねたら、「ボクが寝ていたら知らない男の人が部屋にやってきて、電灯を消して真っ暗にしようとしたの…」だそうだ。夢だったのかと気がついたら、照れくさそうにニヤニヤしてました。もちろんウチの子はごく普通の男の子。普段から夢だって見るし、たまには寝言だって言う。…けれど、夢を見てむっくり起きあがって暴れたことは今まで一度もない……。
じつは「タミフルって子どもに変な夢を見せるんじゃないのか」という噂は、10代少年の“異常行動死”が報道されるよりも前から、妻の育児仲間の間では話題になっていた。ある女の子は突然、「○○ちゃん(←可愛がっている人形の名前)をお着替えさせなくちゃ」とよろよろふらふらとオモチャ箱へ歩いていったという……そのときは「ハハまさかねぇ」と笑ったものだが、我が子の不審な“実例”を目撃すると「やっぱりなにかあるんだろうなぁ……」と疑わざるを得ない。


ただ、見方を変えれば
ほんの数時間前には高熱でぐったりしていた子どもが、タミフルを飲んだ途端に、起きあがって暴れまくるまでに回復した…という効能の高さは認めざるを得ないだろう。次男のヤツ、今朝はもうすっかりケロッとしていた。驚異のV字回復! これだけ薬効があるのなら、幻覚の危険性を承知の上で、服用中は監視をつけたり運転のような行為(←幻覚みたら大問題!)は絶対にさせないなど注意深くつきあっていけば、相当に役に立つ薬であることは、間違いないだろう。(…とさっきはここで筆を止めたのだが、やっぱり不気味だよなぁ。親としては不安です)


タミフルはまた、その特許をもつギリアド・サイエンス社の株を大量に保有するのがラムズフェルド国防長官であることや、世界中のタミフルの大部分を日本が購入している不自然さなどといった事実から、必要以上にインフルエンザの恐怖心を煽って必要以上の分量を流通させて大儲けしている連中がいるのではないか…という疑惑も囁かれ続けている。
そうした陰謀論は、半分本気半分冗談で受け止めるに限ると思ってはいるのだが……タミフルの注意書きに、
「治ったようにみえても、完全に治りきるまでには最低でも5日かかります。タミフルは5日分をすべて服用しないと途中でインフルエンザがぶり返して、今度はタミフルも効かなくなります」
などと書かれているのを読むと、「治るのが早すぎると売りつける薬の量が減っちゃうもんなぁ……こうやって脅してたくさん売りつけるハラだなきっと」と、どうしても疑っちゃうよね…やはり。


おそらく私もすでにインフルエンザに感染していることだろう。今回はじめて私もタミフルを体験してみるつもりである。はたしてどんなバッドトリップに陥るものやら……