ママがサンタにキックした

Tuduki2005-12-22

昨日「他人が他人に優しくなれるクリスマス」と書いたけれど、当のキリスト教右派の連中は、その手の寛容さは持ち合わせていないようで……
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051222k0000m030186000c.html

この人たちが、ブッシュ再選の原動力となりイラク戦争を(宗教戦争と認識したうえで)熱狂的に支持し同性愛者や性同一性障害者に権利なんか与えるな!…と言い続けているのだ。 ……とまで意地悪く言い切っても、さほど間違いじゃないというのが不気味なことこのうえなしだ。他人の価値観にまで、独善的な正義感を振りかざせる傲慢さ…そんなモンを生み出す源になってしまうのが、宗教のもっとも怖ろしい要素だと私は考える。


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さてところで、
子どもっていつまでサンタを信じているもんなんでしょうかね? 我が家の長男、もう小三だというのにまだ信じている様子。純粋で微笑ましい気もするが、そんなに鈍感でいいのかよ? 大人になってからズル賢い連中に騙されるんじゃないか?…と心配にもなる。これはなにも我が家に限ったことではなく、妻がママさん仲間と話していても「ウチの子、まだサンタがいるって信じているのよ」と話題になるそうなので、もしかしたら全国的な傾向なのではなかろうか?

私が子どもの頃には、「サンタなんか本当はいないんだぜ」なんてのは幼稚園児の会話だったハズなのだが……。たとえば『ドラえもん』や『サザエさん』だって、親にプレゼントをねだる場面は何度もあるのに、のび太やカツオがサンタを信じている場面なんか全然ないってのに。私が長男くらいの年齢のころには、「サンタって本当にいるの?」という、あの“世界で一番有名な社説”と言われる100年前のニューヨークの新聞記事の話を道徳の時間に読まされて、「たしかにいいはなしだとおもうけれど、これっておとなのはっそうだよね」などと生意気なことを考えたものだが。我々の世代がスレていたのか、それとも今の子たちがピュアすぎるのか、どっちなんだろう……?


塾講師のバイトをしていた20年近く前のちょうどこの時期、とある小6女子の母親から塾に電話がかかってきたことがある。
「娘が昨夜、塾のお友だちから“サンタなんか本当はいないのよ”と言われたって、泣きながら帰ってきたんです。今から主人がサンタの声色で電話しますから、電話口に娘を出させてください」と。「は?…はぁあ?」

「はぁ?」な依頼である。ではあるが、「娘の無垢な気持ちを大切に育てたいんです!」と親に力説されたら、従わないワケにはいくまい。受験本番まで1か月しかないし、ここで受験生を動揺させては我々も困る。

「○○、電話だぞ!」「え? 誰からですか?」「いいから出なさい」「……はい、もしもし。お電話かわりました…」「フォッ、フォッ、フォッ……○○ちゃんかね? わしはサンタじゃよ…クリスマスにほしいものを聞き忘れてたものでな。フォッ、フォッ、フォッ…」

こんな会話があったにちがいない。その子、とっても嬉しそうにしてたもの。……とはいえ、サンタがわざわざ塾なんかに電話かけてくる不自然さに気づくことも、人間の成長としては大切だと思うぞ私は。
勉強はよくできる子で、親の希望どおり、無垢な気持ちを大切に育ててくれそうな大学附属中学に合格したが……あの子も今じゃもう30歳前後になってるのか。もしかしたら今ごろはもう本人がママになってるかもな。そしたら自分の子どもにもやっぱりサンタをず〜っと信じさせるつもりなのだろうか? 


あのとき「はぁ?」と思い、やれやれ…と笑った私であるが、いつのまにか自分の息子がその歳に近づくとは。軽くヤバイ気分。私は別に“無垢な気持ちを大切に育てたい”なんて思ってないので、真実に早く気づいてほしいです。
「そのサンタは〜、パ〜パ〜〜♪」なのだと。