怪談シリーズ(1) お化けトンネル

Tuduki2005-08-11

幽霊だか妖怪だかわかんないが、得体のしれないものを見たことが何度かある。
にもかかわらず私は、お化けの類をまるっきり信じていない。……と言うと、よく怪訝な「???」てな顔をされるのだが、本当なのだから仕方がない。奇妙なものに出会った体験も“本当”だけど、信じてないのも“本当”なのだから仕方ないのだ。どういうことか説明しようとも考えたのだが……やたら長くなりそうだし、書いてる私自身も途中で飽きちゃいそうだし、そのわりに面白くなくなりそうなので、やめておこう。
そのかわり、お化けにまつわる私の体験持ちネタのあれこれを毎回小出しに披露して、怖さと暑さを笑い飛ばそう…!と考える次第です。どうぞよろしく。



さて、私が生まれ育った神奈川県で最も有名な心霊スポットといえば、やはり「鎌倉の小坪トンネル」(注:実際には鎌倉市ではなく逗子市内にあるのだが、鎌倉〜として有名)ではないだろうか? 有名人の体験談〜いわゆる「キャシー中島事件」として語られ、いわゆる“トンネルもの”の元祖とされる心霊スポットだ。どんな内容の怪談かご存じでない方は「キャシー中島 トンネル 霊」とかで検索すれば、たぶんいくつもヒットする。そしておそらく「ああ、なぁんだ。あの話かぁ…ウチの近所のトンネルにも似たような怪談があるじゃん」と思われることだろう。そう、そうしたトンネル系怪談の元祖であり基本フォーマットとなったのが、この小坪トンネルなのだ。
7〜8年前のちょうど今ごろ、真夜中にこのトンネルを撮影しに行った。それ以前にも昼間や夜にクルマで通ったことは何度もあった。ホントに何度も何度も通った…というのも、あまりに有名な心霊スポットなので、学生時代から、友達と海水浴に行ったり女のコと湘南ドライブするような機会があれば、必ず話のタネに寄り道していたからだ。「きゃーコワイ!」「うへへへ、大丈夫だよ」という会話が、当時の愛車カローラⅡの中で何度繰り返されたことか……いま思えばワンパターンなデート・コースだったんだなオレ、カッコ悪りぃ。ともあれ、意外にクルマの行き来が多い昼間に走っても、まだ宵の口くらいの時刻に走っても、じゅうぶんに気味の悪いトンネルなものだから、真夜中にあそこの中に徒歩で入り込むなんてよっぽど無気味にちがいない…さすがにオレも怖いぞ。そう思っていたのだが……。

いざ行ってみたら、肝試し気分で遊びにきた高校生や大学生グループで溢れかえってました。しかも、みんな楽しそうにわいわいガヤガヤとニギヤカ。なんだよ、昼間や宵の口のほうが、よっぽど静かで無気味じゃねぇか!

わざわざ真夜中に取材しにきたのは、無気味なたたずまいの写真がほしかったからなのだが…完全に当てがはずれた。しかも50人近くもいるものだから、どういうアングルにしても、楽しそうな学生の姿がファインダーの中に入ってくる。
……もうどうにもならないので、無気味な写真はあきらめた。で、「おーい、キミ達さ。いっしょに写真撮らないか!」と呼びかけ、トンネルの前に彼らを集めて記念写真を撮ったのであった。心霊スポットで「イェーイ!」…ってなんだよそりゃ。

そのあと、お化けトンネル内部の壁とかをアップで撮影。なんか写ってりゃ儲けモノと思ったが、もちろん写ってるワケもなく。また、この写真でつくったテレホンカードを読者プレゼントにするハズだったのだけれど……応募者はいなかった。