『チャーリーとチョコレート工場』を観る

Tuduki2005-08-08

ティム・バートン最新作『チャーリーとチョコレート工場』。主演はバートン作品と相性がいい(?)ジョニー・デップだ。

いかにもティム・バートンらしいビジュアルと、歪んだ悪趣味な演出が個人的にツボ。「くっだらねぇ〜」と独りごちながら、試写室でククククと忍び笑い続けた。……まあ、だからと言って満足したかというと「……」なのだけれど。心から満足していれば、人目を気にして隠れて笑ったりしないもんね。


ロアルド・ダールによる原作は現在も世界中の子ども達に愛されている…というけれど、あいにく私は読んだことがない。少なくとも日本では『チョコレート工場の秘密』という本は、児童文学としても一般の海外文学としても定着していないよなおそらく。なんにしても、いくらなんでも原作があんなに“くっだらない”笑いを目指してるとも思えないので、ともかく原作の小説を読んでみようと神田の書店を見て歩いたが……どこにも見あたらない。目録にも載っていない。不審がって、社に戻ってから出版状況を検索すると……なんだよ、映画公開(9/10)まで1か月を切ったというのにみんな絶版じゃないか! 映画公開に合わせて再販売する商売っ気も喚起されないのか各出版社は? てことは、つまりやはり日本では定着してないのだなこの物語は。

'71年にはジーン・ワイルダー主演で映画化されているし(『夢のチョコレート工場』/日本では予想通り?未公開)、それを再び映画化するってことは、英米の子どもたちには、映画宣伝の惹句としてではなく本当に“現在も愛されて”いるのだろう。……原作はどんな内容なんだろう? ものすごく気になるなぁ。



くっだらない笑いをふりまきつつも、ラストが家族愛をテーマにしてきちんとまとまっちゃうのは、それが現在の“ティム・バートンらしさ”なのだろうなおそらく……同じ親のひとりとしてはイヤじゃないけど、彼の作風のファンのひとりとしては、ちょっとイヤでした。