カブトムシもうひといき

Tuduki2005-06-24

カブトムシの幼虫がサナギになっていた。

アゲハやメダカとはちがい、カブトムシに関しては好きこのんで飼っているワケではない。夏の間に子ども等が成虫を飼っていて(といっても世話をするのはもっぱら私だけれど)、秋になって死ぬ頃にはもう土の中に次の新しい命が宿っているものだから、どうにもこうにも放置できなくて……毎年その繰り返し。
去年はしくじって、せっかく成虫になったのに気づかなかったせいで、エサを与えず1匹餓死させてしまった。で、慌てて他はどうなってんだよ…と土をほじくり返したら、羽化したばかりでまだ固まってない1匹の羽根をひんむいてしまい、羽根のないカブトムシにしてしまった。……気分がどんより落ち込んだので、今年は毎日マメに見張っていたのだ。


だいたい子どもの頃から、生き物を飼うとろくなことがなかった。飼われていた生き物に気の毒で申し訳ない結末ばかりが待ち構えていた。

友達にハムスターの赤ちゃんをもらったときは、「水をあげないで」と言われたのを「水分をあげないで」と聞き間違えて、水を一切与えなかった。皿とかに水を入れて与えると溺れる危険があるから…という意味で、その代わりに水分の多い食べ物も与えなくちゃならなかったのに、イメージでひまわりの種だけ与えてしまった。
一度ごはんを与えたら、ものすごい勢いでガツガツ食べた。それ見て気づけばよかったのに、なぜか「へぇ! ハムスターってお米が好きなんだ!」と思いこんだ私は、次の日から米が原料のあられ(しかも塩っ辛いヤツ)を与えてしまった。……自分の勘違いでハムスターが死んだことを知ったときのショックは、今でも記憶に鮮明だ。


カメの飼育もしくじった。景勝地・松島の屋台で買った、甲羅が10cm超のカメ。500円也。カメは長生きだというし、今度こそ正しい飼育法で、今度こそ大切に飼うぞ…と意気込んだ少年時代の私。バスに乗ってペット屋を訪ね「カメのエサ」とはっきり明記された商品を購入。帰宅後、さっそくそのエサをひとつ〜角砂糖くらいの大きさのをポンと飼育ケースに投げ入れた。「たくさん食べて大きくなれよ!」
ところが翌朝、カメはすでに死んでいた。なんでよ? エサだってちゃんと与えたし、全部食べきっているのに? 理由がさっぱりわからず混乱する私……ふとカメのエサの箱の裏面を見ると「エサ1片が、およそ1週間分です。ほぐして与えてください。一度にたくさん与えないでください」と書いてあった。……てことはなにか? カメは食い過ぎが原因で死んだってことか? またもや私のエサやりミスが死亡原因かよ……嗚呼。 けどなぁ、なんだって1週間なんて大雑把な単位で小分けしてるんだよエサ製造会社め、1日単位に小分けすりゃ問題ないじゃないか! カメもカメだよ。死ぬまで食い続けるなよ、腹いっぱいになったら残しゃいいじゃねぇか! ……そのとき私は涙目で、もう二度とペットは飼うまいと心に強く誓ったのだった。

……その後、一度だけその誓いを破ってカイコの幼虫を飼った。……そして台風のある日、箱ごとどこかへ飛ばされていってしまった。


悲しみと情けなさで自己嫌悪に充ち満ちた飼育失敗歴だったけれど、10年くらいしたらそんな気持ちもいい具合に発酵して…ネタになった。塾の先生のバイトしてたころ、つかみトークにしばしば利用したもんだ。
とまあ、今の私の飼育ライフは、そんな過去の罪ほろぼしでもあるわけです。