ようやく『ミリオンダラー・ベイビー』

Tuduki2005-06-17

とても後味が悪い映画だよ…という知人の言葉にビビり、すごく観たいと思いながらもなかなか思い切れなかった映画『ミリオンダラー・ベイビー』。なにしろ私は打たれ弱いのだ。

けれど、ようやく重い腰をあげて観てみると……私には別に後味の悪い映画ではなかったなぁ。むしろ呪縛(などと表現すると信心深い方々には失礼な話だが)を断ち切った、解放感や達成感すら抱いてしまったよ私は。もちろん清々しくはなかったけれど。


宗教観や死生観というのはデリケートなうえに、いくら言葉を重ねても相対する同士が歩み寄り難い問題であるので、今回は映画の感想を書き散らかすのはパス。前述した、私の抱いた解放感や達成感も、私自身が強固(&頑固)な無信心者だからこその印象だろう。それ以上でも以下でもない。無信心の私と違って、イーストウッド御大の演じる主人公は、ゲール語を読むアイルランド系移民のクリスチャンなわけだから、そういう人物がああいう結末に陥る重さは…やっぱりひたすら重いよなぁ…………。キリスト教についていろいろ勉強して観ないと、主題を読み取りきれない映画です。「三位一体」みたいな劇中に出てくる言葉も、知らなかったらあとで調べたほうがいいです。


しばらく雨だったもんでこの数日、屋上に行けなかった。雨上がりの今朝、久しぶりに屋上に出ると新しい花が咲いていた。おお、まさにこないだの『独楽吟』! 名前も覚えていないこの花…もちろん多年草だったことも知らなかったので、あやうくプランターごと整理するところだった。例年なら春に花や野菜をきれいに育てる準備をするのだけれど、マンションをいつ手放すことになるかわからない今年は放置したまんま。……おかげで助かったんだなこの花は。ラッキーなヤツめ。
この花のこの状況の受け止め方ひとつみても、宗教によってかなりちがうんだろうね……おそらくは。