ジローラモに、なれ

Tuduki2005-06-16

「あんたさぁ、ジローラモになんなさいよ」と、妻。

「え?…………はあ? ジロー…さんって、あのイタリア人の?」 「そう、これからはジローラモがいいと思うのよね」 ……あのぉ、もう少しわかるように説明してもらえませんか?

要するにこういうことだった。妻は私の服装が気に入らないんだそうだ。私の休日の服装といえば、Tシャツかアロハ。それに短パン…そして缶ビールを片手にした、よく言えば“南の島のリゾート”スタイル。リゾート客のほうではなく、住民のほうのスタイルではあるが。そして平日に仕事する服装といえば、Tシャツかアロハ。それに短パン…はさすがに履かない。まあ筋金いりの“クールビズ”と言えるだろう…言えないか。“ビズ”方面がちょっと不足だ。


「なんかさぁ、去年まではTシャツやアロハもいいかな…と思ってたんだけどさ。40歳の男がいっつでもTシャツというのは、年齢相応じゃない感じがするのよね。無理して若ぶってる感じもするし、だらしない感じもすごくするし……」
「でも、オレよりもっと年上でも一年中アロハやTシャツのヒトたちもいるじゃん。所ジョージとか小柳トムとかさ…」と私が反論すると、
「あのヒトたちは年齢に負けなかったのよ。けれどアナタは年齢に負けたの……負けたのよ!」……負けたんだそうです、私は。


負けたんじゃあ仕方がない。妻の言うとおりジローラモを目指すことにするか。取り急ぎ【LEON】の最新号でも買って研究して、“ちょいワル”で“ちょいムチ”な“ちょいモテ”オヤジになることにしよう。それで愛人を「ニキータ」と呼んでやるのだ。でもって麻布とかでニキータとワインを空けて、うんちく語ってやるのだ。

ジローラモを目指すのはいいけどさ、服そろえるのにカネかかるぜ。ボーナスどのくらい遣っていいんだオレ?」 「え? 高いの?」 「あったりまえだろ、だってジローさんだぜ。もしかしてGAPや無印良品ユニクロなんかに似たような安服があるとでも思ってたんじゃないよね?」 「……」


「……じゃあいいや、あんたジローラモにならなくても。お金かかるんなら今のままでいいよ…年齢に負けたまんまでいいから」 ……負けたまんまでいいそうです、私は。

……っつうか、そんなにも何度も負け負け言うなッ!