バンアレン帯

Tuduki2005-02-14

車内広告で、湯島天神の梅まつりの案内を見た。先週から始まっているらしい。もうそんな季節なのか……暦の上だけでなく、本当の春ももうすぐなのだな。

「梅」といえば、水戸の【偕楽園】が有名だ。10年以上前に、結婚前の妻と訪れたことがある。園内を散策していたら突然、「あれっ? 都筑(仮名)じゃん!」と呼び止められた。誰かと思えば高校時代の同級生、こんなところで出くわすとは。で、ナニやってんのよ…とお互いに訊きあうと、「オレ、○○社の人事部にいるんだけどさ、昨日で来年の内定者が全部決まったもんだから打ち上げやって、最後は上司の家に泊まったんだよ」とのこと。へぇ…ってあれ? でも○○社って本社は丸の内じゃん? 尋ねてみるとその上司、水戸から東京まで毎日通勤しているのだとか。我々ふたりが旅行として来た距離を毎日往復しているとはッ!…と驚いたが、この○○社人事部の連中は東京で飲み会やって、そのノリと勢いを水戸まで(電車で2時間)キープしたのかッ!…とそのことにもっと驚いた。

「通勤」といえば、水戸と同じ茨城県にある筑波市と都内を結ぶ【つくばエクスプレス】が今秋開通する。学園都市・筑波には国の関連施設が多い。そのため、お役人やら上級の国家公務員やらが都内と行き来する機会も多く、現在でも東京駅からJR高速バスが10分おきに絶え間なく出発しているほどなのだが、【つくばエクスプレス】が開通すれば、つくば〜秋葉原がわずか45分で結ばれる。…ってことは、横浜の奥地の我が家からよりも、つくばからのほうが通勤時間が短くなるのか! それならつくば方面に引っ越そうかな…と少々真剣に考えた。筑波近郊に住む造形作家の話では、庭にタヌキや野鳥も訪れるくらい自然がまだ豊かだというし、海遊びしたければ大洗に行けば、あそこは湘南とちがって波も立つしなぁ……。と思ったのだが、映画『下妻物語』でも“活躍”していた牛久大仏のことを思い出してやっぱり躊躇した。前述の茨城旅行の際、最もインパクトあったのが偕楽園でも筑波山でもなく、あの大仏サマだったもので。

「つくば」といえば、JAXA宇宙航空研究開発機構)の施設、【宇宙開発センター】がある。JAXAがまだNASDAだったころ、映画『リターナー』のロケにも使われていたが、思いのほか存分に門戸開放されていて、入り口で簡単な手続きをすれば、ロケットや人工衛星や宇宙ステーション内部の実物大モデルや宇宙服など、いろいろ珍しいものを見学させてもらえる。宇宙空間を飛び交う放射能や磁気から人工衛星を守るために、その表面をコーティングする素材が、台所にあるアルミホイルをずっと薄〜くしたようなペラペラの素材だったモンで、こんなんで大丈夫なのかよと他人事ながら心配になったことが、今も記憶に鮮やかだ。

「宇宙空間を飛び交う放射能」といえば、地球上空をドーナツ状に取り囲む、放射能の強い領域があるのをご存じだろうか。宇宙から飛来する高エネルギーの陽子や電子が、地球の磁場にとらえられ、ちょうど赤道上空付近に集中し、放射能の強い領域ができるのだ。この領域は、発見者J.A.バン=アレンにちなんで【バンアレン帯】と名付けられた。

……本日全国的に催されているチョコ祭りについて、よい思い出どころか悪い思い出すらも乏しいもので(ガッデム!)、こんな話でお茶を濁しました。
せめて皆さんは、「ハッピー・バンアレン帯!」。幸せなバンアレン帯デーを過ごせますように。