がんばれ受験生!…とその親と先生

Tuduki2005-02-01

2月になった。今日は朝からなにか大切な用事があったような気がしたのだが、会議でもないし、はてナンだろう?…と考えながら遅めの通勤電車に乗っていたのだが
「あ…談志ッ!」
立川談志師匠が野毛にぎわい座@横浜でやる落語会の発売日だった。週末発売じゃないから紛らわしいんだよなぁ野毛のは…とブツブツ言いながら途中下車。開店約15分をすぎたチケットぴあに駆け込み、なんとかギリギリで後ろのほうの席をゲット。まあ立川談志つったら都内じゃ入手超困難なチケットだもんなぁ。買えただけでもラッキー!だと思おう♪

さて、2月といえば受験シーズンのクライマックス。いよいよ受験本番である。といっても、私には「受験」といえば、大学受験よりも、中学受験そして高校受験なのだ。大学に籍を置いていた5年間、とある進学塾の講師のバイトに明け暮れていたせいか、あれからもう20年近く経つのに、いまだにこの時期はなんだかワクワクドキドキしてしまう。
首都圏では今日2月1日から、まずは中学受験が始まる。私がバイトしていた塾では受験当日の朝、専任講師(サラリーマンとして塾に就職した先生)全員と、主だった非常勤講師(バイトのはずなのにどっぷりハマってしまった先生)は、6時前に塾校舎に集合する。受験する子どもたちを見送るためだ。これを「見送り闘争」と言って、校長や本部の先生は校舎や駅で受験生に応援の言葉をかけ、現場の先生たちは手分けして受験会場まで生徒を引率して、校門前で最後の応援のことばをかけて試験場へ送り出すのだ……そんなことを、受験学年を受け持つようになった4年間、毎年この時期に繰り返していた。

“闘争”なんて物騒な名前がついてるのはおそらく、当時の学習塾業界が学生運動あがりの人たちの手によって成り立っていたからだ。受験のお守りグッズにお揃いのハチマキを作ったりするセンスも、かつての“闘争”で培われたものかも。「京大で学長を軟禁して判を押させた」だの「成田空港建設反対で立てこもった」だの「○○(←大手学習塾チェーン名あれこれ)の△△(←その要職者の実名)とはどこそこで一緒にピケはった」だのと物騒な武勇伝を持つ人々だらけで当初はビビったもんだが、学生運動にのめりこんでフツーの就職や卒業の機会を逃した“元・お勉強ができた人たち”はこんな業界に活路を見いだしてたのか…と世の中のしくみの神秘に単純に感動もした20年前の私だった。

なお、私と同世代で塾業界に正社員として就職するのは、アングラ芝居にのめりこんだ売れない役者や、司法試験を受け続けたけど結局あきらめた人や、民話の収集みたいな陽の当たらなすぎる分野の研究を選んだ大学院生など、学生運動の世代とは理由は違うけれど、やっぱり同様に「フツーの就職や卒業の機会を逃した“元・お勉強ができた人たち”」が多かったけれど……もっと若い世代はちがうんでしょうね。大学をちゃんと卒業した人がちゃんとした就職先として選んでいるんだろうなきっと。