『ネバーランド』で嗚咽

Tuduki2005-01-21

ネバーランド』を観た。
ライフ・イズ・ビューティフル』とか昨年の『ビッグ・フィッシュ』とかもそうだが、「ホラ吹きの大人が子どもと交流する物語」にはトコトン弱い私である。であるからして予告を観たときから「あ、オレきっと泣くなコレ、ヤバいぞ」と予想してはいたのだが、目が痛くなるまで泣き腫らすとは……。この手の作品に対しては、もはや冷静な判断が出来なくなっているなオレ。
ジョニー・デップについては、若い頃はムラっ気の強いチンピラみたいな奴だったのに、子どもができたら落ち着きがでて仕事も充実…というところに、親近感というか仲間意識を、一方的に勝手に抱いてしまう私である。つまりショーン・ペンも自分の“仲間”だと思ってしまう私だ。

ところで、ピーター・パンの衣装が緑色でなかったことに違和感をもった観客もいたかもしれないが、おそらくあの赤茶っぽいのが当時のオリジナルなのだろう。小説を読んだ人の話だと、樹液や木の葉や木のスジで出来た服…みたいな描写だそうだから。ちまたに広がるイメージが緑色なのは、きっとディズニーの影響なのではないか。

ちなみに、葉っぱでもないのに緑色でつるんとした、アニメ版ピーター・パンの衣装は、まるっきり原作の描写とは異なるディズニーのオリジナル・デザインだそうで。
でも、そんなことフツー知らないから、ピーター・パンのイラストをイラストレーターに依頼するとたいていあれに似たデザインで描いてくる。で、もし編集者もそんな事情を知らなくて、そのまま出版したらどうなるか……?


答)ディズニー側から、権利侵害の旨が記された内容証明郵便が届きます。

実際に私の上司が15年くらい前にやってしまい、どこがどうディズニーのオリジナル・デザインと同じなのかを箇条書きに示したうえで、どういう計算か判らないが、使用料のような名目で数百万円単位の請求をする郵便物だったそうだ。
くだんの上司によると「葉っぱでもないのに緑色」の衣装…というのが、とにかくOUT!らしい。

知的生産を生業とする方々にとって、知的財産を守る権利は非常に大切なもの。侵すべからざる重要な権利です。
……なんだけど(というより、だからこそなおさら)、このデイズニーのピーター・パンの件〜緑色ならすぐ盗作と訴える姿勢については、「そういうこと言うんなら、映画『ライオン・キング』や『アトランティス』などはどうした、まずは自分の襟を正しなさいよ」と言いたくなる気持ちを、私はどうしても拭えない。

※写真はケンジントン公園にあるピーター・パン像…ではなくて、山下公園にある赤い靴の女の子像